Just good is good. A nice and useful clothing.
< NICENESS >
– Just good is good. A nice and useful clothing.
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
「この人は本当に古着が好きなんだなあ。」と感じるデザイナーの一人がNICENESSの郷さん。
サンプル元をしっかりと明かして、尚且つそれを超えるものづくりをする人だと思います。
今日紹介するモデル:EDDIE。
カシミヤ混のダブルフェイスの生地を毛抜き合わせしています。
毛抜き合わせとは、両面接結した生地の端を割いて手で奥纏りする生地処理の仕方。
裏地も無く、縫製箇所も少ないので生地が縦にストンと落ちます。
生地分量に対して、実際に着ると軽く感じるものも多い。
EDDIEは、40〜60年代のアメリカのワークウェアをサンプリングして作られた洋服。
アメリカ物、特にワークウェアは大量生産に向いた縫製方法を取るので、時間も手間も人手もかかる毛抜き合わせの洋服なんて作らない。
奇抜なアイデアを添える訳でも無く、特殊なディテールを足す訳でも無い。
用いる生地を論理的に、感覚的に、本質的に、より良くなるように変えてみる。
その雰囲気に合わせて付属を変えてみる。
それに耐えるような縫製に変えてみる。
NICENESSの洋服の全てにおいて。
男性的な印象を覚えながらも、どこか中庸な上品さを感じるのはそういった丁寧なものづくりによるものでしょう。
「良いものは良い。」
NICENESSのコンセプトに添えられたこの言葉は、自分が作り出した洋服に向けたものでは無く、サンプル元の洋服に対するもののように感じます。
だからこそ、下回ることも焼き増しすることも無い、オリジナルを超えたものづくりが出来るのでしょう。
河上 尚哉