ジャケットがほしい
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
約10年間続いた「誰かに雇われている状態」を今年の1月に終え、やっと自分で好き勝手にできるようになった僕ですが、そんな自由な環境を楽しんでいたのもほんの束の間。
すぐに縛りも抑圧も何も無い状況に物足りなさを感じ始めました。
僕らの今の環境は自由でもなんでも無い、ただの無秩序な状態。
雇われていた時のように簡単に敵になってくれる存在も今はいないので、外に視野を拡げ続けながら新しく自分たちの秩序を作り上げていくしかないのです。
人が何かを形にする為には、抑圧されて不自由さを感じながら疑問やストレスを溜め続けた結果、それを解決し発散する術を考え続ける事が一番の近道かもしれません。
珍しくジャストフィットで着て楽しむ事が出来るテーラードジャケットがMANHOLEに並んでいます。
もちろん正しいサイズ感で着なくてもいいんですが、そういうのは古着でもある程度用意が出来るので、このジャケットに関しては体型に合わせてサイズを選んでほしいと思っています。
今は何でもかんでも大きい時代。
その感覚に慣らされてしまっている状態だと、このジャケットに対して最初は違和感を感じるかもしれませんが、ここら辺でまともなフィッティングで洋服を着るバランスを取り戻さなければ、将来的な洋服の楽しみ方も減ってしまうような気がするからです。
「どんなバランスの洋服でも、その人らしく着こなせるようになってほしい。」というのが僕らの理想でもあります。
中途半端なものを買わされ続けた結果なのか、僕らが魅力を伝えきれていないのか。
「ジャケット、僕着ないんですよ〜。」という若い子が多いですが、これはとても勿体無いことのような気がします。
前にも書きましたが、男性服は女性服に比べて圧倒的に種類が少ない為、自分で選択肢を大きく削ることになるからです。洋服が好きだったら尚更。
出来ればそういう人にも「かっこいいな。」って思ってもらえたら嬉しいです。
もちろん全員に響くものでは無いのですが。だからいいんです。
スーツ/テーラードジャケットはメンズウェアにおける機能服。
物としての歴史も古く、それぞれの形にそれぞれの意味/用途がある為種類が多く、それを総称して「ジャケット」と括ってしまうからルールがある様に感じてしまうし、とっつきづらさを感じてしまうのです。
単純に「格好いいなあ。」と思える物を手にとって羽織ってみてはいかがでしょうか。
最初はもしかすると窮屈さや不安を感じるかもしれませんが、それを着こなす過程を楽しむ事は男性のみに許された特権なのです。
河上 尚哉