MANHOLE 2020SS PREVIEW
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
オープン前に行ったように、今シーズンも2020S/Sシーズンの内覧会を行います。
期間は1月24日(金)、25日(土)、26(日)の3日間。
プレスや業界関係者に向けた内々の場では無く、全てのお客様に向けた内覧会です。
今シーズン、僕が買い付けたコレクションベースの洋服で多い色はベージュとグレー。
その淡い色味を様々なブランドならではの素材感で楽しんで欲しいと思っています。
前職から付き合いのあった取引先の人たちには驚かれました。
「河上くんって黒い洋服のイメージだったんだけど。」
誰かが決めたコンセプトという大枠のある場所で働いていた頃と比較すると、独立して自分が考えたコンセプトの中で自由に動けるようになった際に、僕の中で一番変化したのは色の取り入れ方でした。
単純に気分的な部分も大きいと思うのですが、その理由をお客さんに伝える際に「気分です。」と、言い切ってしまうのはあまりにも乱暴。
僕の気分が変わった理由は一体なんなんだろうか。。。と、ここ一年間の出来事を辿ってみた際の記憶として一番しっくり来たのは、この物件を借り受けた当時の、幾度も雑に現状回復された無作為の状態が美しいと感じたからなのではないか、と思いつきました。
様々な素材/光のグレー、グレージュ、ベージュ、白。
壁に残る朱色のペンキ、色とりどりのビニールテープ。
油染みのような黒、動力線の黒。
その無作為な空間をベースに、自分たちが働きやすいように、洋服がよく見えやすいように、来てくれた人が過ごしやすいように手を加えたのがMANHOLEというお店です。
左官屋のおじいちゃんが丁寧に塗ってくれたフロアハードに発生するひび割れ。
自分たちで白く塗装した壁と、空調屋さんが設置した白のダクトパイプ。
カスヤさんの展示の際に三人で貼った写真が剥がれて顔を覗かせる壁。
黒い天井に走る薄汚れた/真新しいダクトテープ。
綺麗に塗り直したはずなのにコンクリートから滲み出るカルキ。
何度も剥がされ/塗られてを繰り返したペンキとモルタルのグラデーション。
背景の朱色にあっているのかあっていないのかわからないオレンジ色のクッションカバー、内装屋さんの思いつきで設置された角スタッド。
このお店は作為と無作為の連続で出来上がっています。
僕にとって中台が買い付ける古着が無作為であるように。
中台にとって僕が買い付ける新品の洋服が無作為であるように。
何事も計画通りじゃつまらないし驚きが無い。
僕らはそれぞれが考えて選び抜いて結果的に適当になる感じが楽しいのです。
内覧会に合わせてMANHOLEならではのアイテムも販売を開始する予定です。
間に合うように進めたつもりが、結果はやっぱり計画通りに行かないし納期もギリギリ。
まだ届いていない物もあるので、ここから会期当日までバタバタになりそうですが、折角なのでそんな感じも楽しんでいきたいと思います。
順次告知していきます。
それではまた。
河上 尚哉