靴の顔 #2
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
昨日のBlogを帰りの電車で読み返すとほぼ思い出話メイン。
肝心のF.LLI Giacomettiの紹介をあまりしていない事に気付きました。
今日はリベンジの回。
ちゃんと紹介できるように頑張ります。
これは7,8年前に買ったALDENのタッセルローファー。
ホーウィン社のシェルコードバン。
アバディーンラスト。
自分の手元に残った唯一のオールデン。
タッセルローファーはある程度どんなシーンでも履けるので重宝してます。
ただアバディーンラストは僕の足の形に全く合わないようで、結構苦労しました。
買ってから眠らせる事なく適度に履いているのですが、メチャクチャ痛いし普通に立ってるだけなのに靴が笑ってしまう。
けど、なんか手放せない。というわけでこの靴は僕にとって「良い靴」なのです。
コードバンだからといって、別に過剰に大切にせずに普通に履いていました。
むしろこの靴が僕の靴磨きの練習台になってくれたような気がします。
履いている時に雨が降ろうと、コンクリートで擦れて傷が入ってもクリームを入れて毛を潰して磨いてしまえばピカピカ光ってくれる良い革です。
こんな風にわざと水をこぼしても心が痛まない。
なんて水をかける前は思っていたんですが、水をかけた瞬間になんかちょっと悲しくなりました。
・・・何はともあれ自分なりの手入れの仕方さえ覚えてしまえば、コードバンは本来扱いやすい革だと思っています。
ただ、コードバンは頑丈な革ではありません。
縦裂きには弱い繊細な革です。
日々のブラッシングと定期的な保湿をしてあげないと、僕のタッセルローファーのように裂けが生じてしまいます。
これは数年前にサンプルを買って、2年くらい前に中台に幾らかで譲ったMarmoladaのCULATTA CAVALLO ROVESCIO NERO。
昨日紹介したローファーと同じ革。
この靴を履いて戸隠にそばを食べに行った時に、そばだけ食べてすぐに帰ろうと思っていたのに何故か戸隠神社に参拝する流れに。
参拝していたら土砂降りの雨が降ってきて、結局びしょびしょに濡れた上に泥まみれになった事があるのですが、家に帰って乾かして磨いたらちゃんと綺麗になりました。
サンプルを買った為、元々裂け傷も何かを押し当てたような傷もあり「履いているとすぐにダメになっちゃうかもなあ。」と思いながら履いていたのですが、意外と大丈夫ですね〜。
中台もだいぶ履き込んでいたので、この前磨いてあげました。
履いた分だけ、手をかけた分だけ味が出る良い革です。
中台はとにかく靴を適当に履きまくるので、手入れのしがいがあります。
彼に繊細な革を買うのをオススメはしないようにしていますが、やっぱり靴は履き込んだ方がかっこいいですね〜。
こんな途中で革質が変化する革なんてどう手入れすれば良いのかわからなかったのですが、いつも通りやったらなんとかなりますね。
さて、本題。
「もうこの革が手に入らなくなってしまうタイミングで作っておいたんだけど、めちゃくちゃ上がりが良いんだよね〜。サイズも38から43まで一足ずつあるよ。」
と、代理店の方に見せてもらい、引き取ることになったこのローファー。
ローファーは特に合わせ方もないです。
今までの自分のバランスでまず試してみてください。
自分の中で違和感を覚えたらパンツの丈やシルエットを変えてみましょう。
革靴を履く上で大事なのは、難しいことを考えずにまずは買って履いてみることだと思います。
足の形は人それぞれ。
実際に履いてみて合うか合わないかも人それぞれ。
ストレスなく履ける靴のデザインが、気に入るか気に入らないかも人それぞれなのです。
僕らは靴を作れる訳でも無いし、革のプロフェッショナルでもありません。
自分たちが「かっこいいなあ。」と思えるものだけを紹介すること。
それを自分で実際に履いてみた感想を伝えること。
そして、ちゃんとフィッティングを見てあげることくらいしか出来ないからこそ、その最低限は最大限にやっていきたい。
この靴を「かっこいいなあ。」と共感してくださる誰かにとっての良い靴になれば、僕らは嬉しいです。
河上 尚哉