” 行き場の無い “
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
本日も引き続きcantateの借り物の洋服を紹介します。
2019年の一月頃から事務所のパッキンの奥底で眠っていた、行き場の無いトレンチコート。
今回も物自体の説明はデザイナー:松島さんの言葉をお借りします。
スーピマコットン60番双糸を使用。
経糸はオレンジ、緯糸はブルーっぽい薄グリーン。
高密度で織り上げているため、光の加減で独特の玉虫色に輝き、色の奥深さと独特な光沢感を愉しむことができるはずです。
後加工で撥水機能も付加しています。
肩がいかつく見えないよう、エポレットを省いて、ラグランショルダーに。
ガンパッチは前を閉じたときに一番上のボタンで留める特別な仕様です。
襟裏には限りなく細かいのジグザグステッチを配し、通常のステッチの間にもう一回ステッチを入れることで、襟を立てた姿も美しく凛とした表情に仕上げました。
べルトの革バックルも特注品。
cantateの定番べルトであるRibbon Knot Beltに使われるプルアップレザーを薄く梳き、味が出るような革バックルにしました。
べルトには落としてしまわないようボタン付きのストラップを付けるとともに、左腰部のループを二重にして留めることができるという、気を利かせた独自のディテールを取り入れてみました。
トレンチコートではまず見られない大見返しと、袖裏のシルクリネンの生地使い。
そして背裏にはキュプラウールを使用。
汗を掻いてもすぐに吸収・放湿するため常にサラッとしたドライな肌触りを実感できます。
第一次世界大戦時に普及して以降、様々な人々に着こなされ、着崩されてきたトレンチコート。
どんな格好に合わせても良いと思います。
トレンチコートを手に取る理由はたくさんある。
トレンチコートを手に取らない理由は、このcantateのTrench Coatがほぼ全て取っ払ってくれているはずです。
ただ単純に上質な生地を用いた、ディテールを切り貼りしただけでは無い。
一つのデザインとして完成された物だと感じます。
その行き場の無さから、このTrench Coatは20年春夏以降のコレクションより姿を消したのかもしれません。
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河上 尚哉
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