「昔を経て今がある」
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
FRANK LEDERのデリバリー第一便が届きました。
マシンニット2型、ハンドニット1型、シャツ1型、ウールのブルゾン1型、ウールのカーディガン1型。
個人的にもFRANK LEDERは長く見続け、買い続け、お客さんに渡し続けているブランド。
FRANK LEDERのせいで行ったこともないドイツの事を3年間くらいずっと考えていた時期もあります。
良くも悪くも急激な方向転換をしないブランドでもあり、デザイナーの気分やアトリエの環境や市場の動向などに合わせて静かに、少しずつ変化を続けてきたマイペースなブランドのような気がします。
設立から時間の経ったブランドにありがちな話だなあ、と感じるのですが「FRANK LEDERは昔の方が良かった。」という感想を僕はここ数年、毎年誰かしらから伝えられて返答に困る瞬間があります。
確かにブランド設立からしばらく続いた「この人の頭の中はどうなってるんだろう?」みたいな静かに激しく爆発していたクリエーションは、ここ数シーズン表面的にはすっかりなりを潜めているように感じます。
ただ、僕はまだ「FRANK LEDERは昔の方が良かった。」という風には感じず、「昔のこれがかっこよかったね〜。」くらいにしか思ってません。
自分と同じように、デザイナーの気分や状況、周りの環境も変わっていくのです。
僕らに出来るのは、毎シーズン「その人に期待をし続け、良いと思うものを探す。」という事だけ。
もちろん完全市場主義に変化した場合や、様子がおかしいなあと感じた場合や、良いと思っていた部分が致命的に変わってしまった場合、僕らの意識はこのブランドから離れてしまうかもしれませんが、そうでない限りは「昔の方が良かった。」という理由で諦めてしまうと、自分の気分の変化をデザイナーに責任転嫁しているようで心がもやもやするのです。
FRANK LEDERのマシンニット。
糸や編み方を変えながらリリースし続けているもの。
シンプルな作りながら、ブランド特有の生地感や色、雰囲気を纏っているので定期的に仕入れています。
「今回もマシンニット良いのあるといいなあ。」と、期待しながら見に行くと絶妙に「コレジャナイ」感が出ている物をリリースしているタイミングもありますが、全然期待しないで見に行くと気分にフィットする物が見つかるから不思議です。
今回は特に色が気に入りました。
映画の中に見るような、くすんだブルーとバーガンディ。
クルーネックと、タートルネックの2色2型。
あとはサイズ感も良い。
大きすぎも小さすぎもしない、一枚で着てもジャケットのインナーに用いても成立するくらいのサイズ。
毎回イメージしたバランスよりも小さく上がってくるので、MANHOLEではMとLのみオーダー。
僕はこのニットも家で洗うので、そういう意味でも毎回少し大きいサイズを買っています。
「昔の方が良かった。」と感じる方がいる一方で、今売り場に並んでいる物を「かっこいい。」と感じて買ってくださる方もいらっしゃいます。
デザイナーが変わった/生産背景が変わった/アシスタントが変わった/お金が無くなった/ライセンス化された等。
ブランドが変わってしまう:「昔の方が良かった」に繋がる要因は数多くあるかもしれませんが、FRANK LEDERの場合はそれを感じさせない。
設立当初にこんな主張を掲げたブランドが、マインドを変えてまでブランドを存続させる理由が無い。
だからこそ、来シーズンも期待を胸に、良いと感じるものを探してみたい、と思えるのかもしれません。
今シーズンのMANHOLEでの買い付けは「これはいい、これは無い。」と、僕が切って貼って出来た隙間を「ブランドの事はよく知らないけど、俺はこれが好きだ。」と中台に埋めてもらった内容だと思います。(まだ全然届いてないけど。)
MANHOLEでは「昔の方が良かった。」ではなく、「昔を経て今がある。」と、感じてもらえるような紹介の仕方をしていきたいのです。
少なくとも、FRANK LEDER自身がFRANK LEDERである事に飽きてしまうまでは。
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河上 尚哉
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