僕と中台とBLOHM
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
僕も中台も休みの日は大抵何かしら理由をつけて買い物に出かけているような気がする。
昨日も買い物に出かけた。
普段は滅多に足を運ばない祐天寺/学芸大学エリア。展示会のついで。
用事が終わったのは12時前。
行きたいお店は大体15時からしか営業していない。
昨日は何故か心に余裕が無かった。
どうせ暇なんだから、適当に時間を潰しながら滅多に足を運ばない祐天寺/学芸大学エリアをうろうろすれば良かったのに、早々に諦めてMANHOLEにくだを巻きに行くことにした。
MANHOLEでぼーっと過ごすこと一時間。
これだと一応仕事をしている風の普段と変わらない。
外で買い物をしなければ、なんて謎の義務感と焦燥感に駆られながらお店を出た。
お客さんから最上位のルンバの話を聞いてお店に導入しようかなんて考えていたけど、家電量販店に行く気は起きない。
この前みたいに本を買いに神保町まで行ってもいいかも〜、なんて思っていたけど、神保町行きの電車に乗るのも、重い本を持って帰るのもしんどい。
頭の中の思いつきを、何故か体が全力で否定してくる。
ここで「もしかしたら、自分は疲れているのかもしれないなあ。」とようやく気付く。
それでも買い物をしたい僕は中台の友人:SさんがSさんの友人の古着屋さんにピンチヒッターとして店立ちしていることを思い出す。
ちょうど帰り道だし、寄ってみる事にした。
ニコニコしながらニコニコ買い物をすることが出来た。
一人だったら「いいよなあ。」なんて思いながら結局買わない物も、知り合いの古着屋さんだったら喜んで買うことが出来る事に気付いた。
帰り道にスーパーに寄って豚バラブロックを2パック買った。
レジで気付く。400g強で2000円。たけえ。
20時頃に買った豚バラ肉を開けてみたら、ほぼ脂だった。
脂9.5割、肉0.5割の豚バラ肉。今まで見て来た豚バラ肉とは明らかに違う。脂が多いから高かったのか、と勘違いしてしまうくらい。
心配になってGoogleで調べてみたら「豚バラ肉は肉類ではなく、油脂類に分類される。」と書いてあった。
「豚バラなんてこんなもん、こんなもん。」なんて自分に言い聞かせながら、調理して食べてみたら案の定脂の塊だった。僕が想像していたのが豚バラ肉、今食べているのは脂だ。
パッケージで赤身は上を向いていたけど、豚バラのブロックは横から見ないとダメだ。
普通にスライスを買えば良かった。スライスは脂でなく、しっかりと豚バラ肉だった。
残りの一パックはまだ冷蔵庫にある。
一応横から見てみる。うん、これも脂だ。次の休みの日にラードにする事にした。
不思議と腹は立たない。自分の心にあるのは、深い悲しみだけだった。
スーパーに相談しに行く元気も無い。
2千円で「豚バラブロックを買うときは四方からじっくりと見ないとダメ。」という経験を買った事にして諦める事にした。
牛肉は安いものを買うと臭く、下処理しないと食べられないけど、豚肉はある程度安いものを買ってもそこそこの味であることを、20代前半の頃に友人3人で暮らしていたアパートの一階にある肉のハナマサでの買い物で確信していた僕。ここに来て100g500円の豚バラブロックに、その定説を崩されるとは思わなかった。これもタイミングなのか。
悲しみに暮れながら、買った古着を見てみた。
かなり良い。知り合いから買う洋服は、僕にあまり嘘をつかない。
BLOHMのアイコン的モデル:HOMIES RATが入ってきました。
中台がだいぶ前のBlogで書いた「週七で履いていた靴」とは、このモデルのこと。
僕も彼と同じ時期:5年前に買って気に入って履いていたんだけど、手にしてから一年後くらいのタイミングで当時千葉にあった中台の家に忘れて来てしまった。
遠いから忘れ物を取りにいく気も起きなかった。
その後、僕は色違いで展開されていたバーガンディカラーのタイプを買ってある程度履いた後、「このモデルはミュールにしても良いのかもしれない。。。」なんて思い立ち、思い切ってハサミを入れた。
僕が不器用すぎたせいか、そのお手製ミュールを外で履くことは無かった。
…アイデアは良かったと思うので、その後BLOHMデザイナーの加藤さんに相談したくらいだ。
加藤さんは比較的乗り気でいてくれたような気がしたけど、僕の会社へプレゼンする体力が無く、結局BLOHMのミュールがその場で形になることは無かった。
ちなみに、なんか怒られそうな気がしたので僕がハサミを入れたお手製ミュールは加藤さんには見せていない。
中台はその後、働いていた古着屋でもBLOHMを履き続けたようだ。
文字通り「穴が開くほど」履き潰した後に、彼の家に放置された僕のBLOHMと一緒に捨てたらしい。
Vibramのタンクソールは歩き方さえ悪くなければ、滅多な事ではダメにならない。
コーデュロイのアッパーも同様だ。
ブランド設立当初からリリースし続けている定番モデル:HOMIES RAT。
移り気な僕らにとって、定番を定番として定番的に売ることは、正直言って少し難しい。
「いつ行っても同じ物が買える店」「いつ行っても違う物が買える店」どちらも良いお店だと思うけど、僕らは「いつ行っても違う物の見え方がする店」を目指したい。
今シーズン、僕らがBLOHMのHOMIES RATを仕入れたのは、5年前の当時とはまた違った気持ちで履けるような気がしたからだ。
物自体は変わらない。良いと感じる部分も変わらないけど、この靴を合わせる装いや、この靴を履く時の気分は、間違いなく5年前とは変わったものになるような気がする。
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