ピュアなニット
「河上くん、良いニット作ってるから楽しみにしててね〜。」
今年、このセリフをULTERIORのデザイナー:牧さんの口から半年間で3回以上聞いた気がする。
少なくとも、サンプルを作る前/作っている最中/作った後くらいのタイミングで3回は聞いた。
と、いうわけでULTERIORのPURE CASHMERE RW SWEATER。
ULTERIORがインラインでラインナップしていたカラーはブラックとライトグレー。
「届く人に届けばいいやって思ったから、売れるか売れないかとかも気にしないで値段も振り切っちゃった。他の色も作れるんだけどどう?」と聞かれた。
僕も届く人に届けばいいやって思ったから、売れるか売れないかとかも気にしないで値札もろくに見ずにブラック/チャコールグレー/オフホワイトの3色でお願いすることにした。
ブラックはなんとなく欲しかったから。
チャコールグレーもなんとなく欲しかったから。
オフホワイトもなんとなく欲しかったから選んだ。
そろそろ寒くなってきたから売り場に並べようかな〜、と今朝ストックをごそごそしていたら何故かチャコールグレーとオフホワイトの一枚ずつしかない。
「届く人に届けばいいや。」なんて思いながらいつも通りスローペースでちんたらやっていた間、ありがたいことにその「届く人」が何人もいたらしく嬉しい気持ちになる。
伊:カリアッジ社の梳毛カシミヤ糸を使ったリバースウィーブタイプのカシミヤセーター。
60番単糸を3本引き揃え、スムース編みで編み立てている。
肉厚でしなやか。手にするとするすると滑り落ちるほどのコシと心地よい重みを感じる。
「カシミヤだからと気負わず、スウェットシャツのように普段使いしてほしい。」という牧さんの意向通り。
一般的に高級と言われる素材の本質的な良さを、着る人本人が日常的に楽しみ、肌で感じることの出来るようなカジュアルな仕様だ。
カシミヤなので繰り返し着ることで当たり前のように毛玉は出来るはず。
が、高い値段を出して買ったものを大切にするのはいいけど、大切にしすぎて着ずにしまい込むよりも、着たいときに適当に着ている方が絶対に良い。
自分がお客さんに売った洋服に毛玉が出来ているのを目にすると、何故か安心するし嬉しい気持ちになる。
「カシミヤだからどーこー、ニットの作りがどーこー」とかは正直どうでもいい。
そういうのは作る人への信頼と作る人自身のプライドに任せたい。
欲しいものは欲しいし、いらないものはいらない。
このULTERIORのPURE CASHMERE RW SWEATERは、作る人への信頼と、作る人自身のプライドと欲しい気持ちがピュアに表れた結果、MANHOLEに並ぶことになった。
出来ればそのままの状態で、届く人に届いて欲しい。
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河上 尚哉
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