椅子を買ってしまった
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
お店をオープンする際。
「椅子だけはまともな物を置きたいな〜。」なんて思いながら什器を探していた。
既製品の買い物というのは本当に不思議なもので、中途半端なイメージを抱けば抱くほど全く買い物をすることが出来ない。中途半端なイメージを捨て去った瞬間に急に物が現れるようになる。
その当時、僕は「どうせお店で寝ることになりそうだから、クールなソファベッドが欲しいな〜。」なんて思いながら、お店の雰囲気に合いそうなソファベッドを探していた。
ソファベッド自体は出てくるけど、「お店の雰囲気に合いそうなソファベッド」という中途半端なイメージを抱いていたせいか全然見つからなかった。
結果的に「お店に泊らなければいい。」なんてすごく当たり前の結論に辿り着き、ソファベッドという選択肢を捨てたタイミングで、今お店に置いてある3脚の椅子が見つかった。
割と満足している。中途半端に当時買える予算でソファベッドを買わなくてよかった。
そんな感じで什器を探していた僕に、以前勤めていた職場の先輩が「この家具屋さんいいかも。」と、教えてくれた北欧家具屋さんがある。
「クールなソファベッドが欲しい。」という中途半端なイメージが自分の中で固まっている真っ最中だったので、その時はそのお店で買い物することが出来なかったけど、定期的にホームページを覗くようにしていた。



先日そのお店のホームページをぼーっと眺めていたところ、とてもかっこいい椅子が掲載されていた。
頑張れば買えない値段でもない。
中台は僕が何も無い空間をメジャーで計り出す様子を見て、「こいつ、なんか買うつもりだわ。。。」と既に察していたよう。
「どう?」と見せてみたら、諦めたように「かっこいいじゃん。買っちゃえよ。」と同意してくれた。
「ちょうどこの椅子を使って撮りたい写真があるし〜」なんて呟き、自分を納得させながら「一応、お店の人の声を聞いてみたい。」という理由で電話をかける。
質問はなんでも良かったので、とりあえず「送料ってこれ、いくらくらいなんですかね?」と聞いてみた。
お店の方が「あ、そちらの住所であれば自社配送料金頂ければ僕が車で持ってきますよ〜。」とのこと。
電話に出てくれた時点で既に買うことは決まっていたような気がするけど、受け取り時にお店の人にも会えるらしい。
もう買わない理由は無い。



そんなこんなで昨日、椅子を届けてもらった。
1940年代/ヨラン・マルムバルがデザインしたKarl Andersson & Sons社製のアームチェア。
全然詳しくないので、家具としてどうこうというのはわからないけど、全方向から見てもかっこいい。
座板厚くてかっこいい。
背板のカーブもかっこいい。
アームのカーブもかっこいい。
肘木と座板の接ぎ方もかっこいい。
とても気に入ってます。
と、ここで気付く。
僕は一体、どこに置くつもりでこの椅子を買ったんだろうか。

置く場所を作るとしたら、思いつく限り一つしかない。
7月頃から僕の私物置き場にしている場所だ。
ここは商品をかけても何故かお客さんの目に留まらないようで、「どうせお客さんの目に留まらないようであれば、僕の私物置き場にしよう。」というわけで僕の私物置き場にしている。
「この布の下には何がかかってるんですか?」という質問に「僕の私物です。」と答えた際のお客さんのぽかーんとした顔もそろそろ見慣れてきた。
そろそろここは撤去しよう。

と、いうわけで今回買った椅子はとりあえずフィッティングに突っ込んでいる。
この所在無げな感じもかわいい。
レイアウトが組み上がるまでにまた色々と買ってしまいそうだけど、新たにお客さんの居場所が作れるような気がしてワクワクしています。

今回買った椅子は、約80年前に作られたものとは思えない。
丁寧に手入れされ、座るととても良い香りがする。
見つけたのはウェブがきっかけだけど、実際に会って話をすることもできた。
お店の人は当たり前のようにやっている作業かもしれないけど、物に対する愛を感じることが出来てとても気分が良い。
外の世界には、僕らが見習わなければいけない部分がたくさんある。
買い物をするのはやっぱり楽しい。
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河上 尚哉
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