静かな共作
「河上さん、NICHOLAS DALEY / LAVENHAMのブルゾンが数枚事務所にあるのですが。。。」という電話がELIGHTの斎藤さんからかかってきました。
昨日届いていました。
売り場にアウターが無いので、僕はとても嬉しいです。
中台にとってのLAVENHAMのキルティングジャケットは「一生着ないだろうと思っていた洋服」
僕にとってのLAVENHAMのキルティングジャケットは、現実を感じさせる洋服。
洋服屋を始めてすぐに「仕事用で〜」というのを売り文句にお客様にご案内してしまっていたせいか、どうしてもそのイメージを長い間拭い去ることが出来ませんでした。
気が利きすぎていて、どうにも落ち着かない。
今シーズンのNICHOLAS DALEYとLAVENHAMのカプセルコレクション。
それを目にした時に、僕がLAVENHAMに対して抱いていたイメージがスッと溶けていくような気がしました。
両方の良い部分を切って貼って編集したようないいとこ取りの内容ではなく。
不器用な部分すらも交わって、一つのブランドの洋服として完成したような不思議な印象を覚えます。
NICHOLAS DALEYが作る洋服の「文字にして/口にして説明すると、良いところが消えてしまう」部分はそのまま。
着る人自身が、着ていて好きになれるポイントを一つずつ見つけていってほしい。
外で自分が洋服を買う時に。
「ブランドを買っているのか、洋服を買っているのか。」わからなくなる瞬間がたまにあります。それは、僕にとって少し怖い感覚です。
一方、NICHOLAS DALEY/LAVENHAMのカプセルコレクション。
この洋服にLAVENHAMのタグが付いていなくても、NICHOLAS DALEYのタグが付いていなくても、僕は「かっこいいな。」と思って手に取ることが出来る。
双方の「らしさ」はそこにある。
両方の「イメージ」もそこにある。
ですが、僕はこの洋服が互いの「ブランド」に頼っていない。
新しい魅力を感じることの出来る、静かな共作のように感じるのです。
ナイスコラボレーション。
僕らもこういう別注を作りたい。
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河上 尚哉
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