経年変化せずとも。
今日は久々に一人で営業してます。
緊急事態宣言下、外は霙まじりの雨、そして一人。
寂しい一日になる条件は完璧に揃っている。
誰かと話したくなったら、たゔぇるなに珈琲を飲みに行こう。

「たゔぇるな」とは、MANHOLEの隣にあるカラオケスナック。
いや、「たゔぇるな」の横にMANHOLEが出来たという言い方が正しい。
外苑西通りにあるKONOSUKe BARの渋いオーナーが、今のママ:ゆかちゃんにコーヒードリップを直伝。
「この淹れ方、すっごい時間かかるからイライラしちゃうのよー!」と言いながらも、丁寧に美味しい珈琲を淹れてくれます。
カラオケの本人出演のライブビデオをBGMとして選曲すれば臨場感も味わうことが出来ます。
昨日もお店に全くお客さんが来る気配が無かったので、二人で珈琲を飲みに行きました。
貸切の状態で煙草を吸いながら珈琲を飲み、ゆかちゃんの70〜80年代の思い出話に耳を傾ける、とても良い時間だった。
BGMとして中台が選んだ曲:中島みゆきの「ファイト」はいつだって胸に刺さる。

今日紹介するのは、FRANK LEDER。
1960年代のヴィンテージベッドリネンを用いた、スウィングトップ型のコットンブルゾン。
このヴィンテージベッドリネンというのは、FRANK LEDERならではの素材。
年代の古いベッドシーツ、通常衣服には使うことの無い布地。
水を通していないデッドストックのものをドイツ各所から掻き集めてコレクションに用いています。
以前は未洗いのまま製品にしていたので個体によっては平気で2サイズくらい縮んでいたのですが、最近は洗いをかけてから製品にしている為、そこまで極端な縮みが起こらず扱いやすくなりました。
僕が何枚か手にしたのは8〜9年前。
平気で2サイズ近く縮む時期の物もあったり、全然縮まないものもあったり。
おそらくベッドリネン自体の年代ももっと古かったはず。
生地に糊がついている状態から始めて、洗い、着込むほどに馴染み、生地が柔らかくなり、色が抜けてきて包みボタンや襟元、袖の裾口などが擦れていく等の経年変化を遂げて自分だけの一着になる、というのが当時のベッドリネンの売り文句。
僕は、この「FRANK LEDERのベッドリネンシャツ」が、ここ数年全く目に入りませんでした。
洗ってめちゃくちゃに縮むのも全然許せるし、黄味がかった色、カスの残った生地の雰囲気も好き。
以前はシャツ2型だったのが、ここ数シーズンで型数も大幅に増えて選びやすくもなっている。
でも、何故だか全く仕入れる気にも着る気にもならない。
その何故だかの理由は自分でもなんとなくわかっていたような気がします。
経年変化は結果的に起こるもの。
最初から「経年変化」という大層な宿題をお客さんに背負わせて物を渡すのは、少し違うんじゃないか。





” FRANK LEDER “
– VINTAGE BEDSHEET BOMBER JACKET – ¥58,000+TAX-
と、いうわけでMANHOLEで「FRANK LEDERのベッドリネン」を仕入れる際は、経年変化を意識せずとも魅力的に見えるように紹介がしたい。
最初から答えがわかっている買い物に、楽しさなんてあるんでしょうか。
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河上 尚哉
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