結局、辿り着かない

こんにちは。
MANHOLEの河上です。
現行品を扱うセレクトショップでしか働いたことのない僕にとって。
古着を取り扱うという行為は、僕に新鮮な感覚をもたらしてくれました。
MANHOLEに来てくださったことのある方であればなんとなく伝わるかもしれませんが、中台が買い付ける古着は探しづらいものが多い。
この「探しづらい」というのは、決して数が少ないという意味でも希少だからという意味でもなんでもなく、その物自体の雰囲気、ユニークさ、違和感を彼が感じ取った結果集められた物だから、探しづらいのです。
なので「ヴィンテージウェア」はたまに混じりますが、きっと彼はヴィンテージウェアをヴィンテージウェアとして受け取りながら買い物をしていないはずです。
ただ単純に「かっこいいものとして提案が出来るかどうか。」という、その時の彼の枠の中に入るか入らないか。
その枠の基準は、「物にフォーカスした内容」ではなく「何かを感じること、伝えたいことがその物にあるかどうか。」にあるような気がします。
さて、そんな風に彼が集めてきたMANHOLEの古着。
彼は買い付けに行く度に、「買い付けた洋服の良いと思った点」を一つ一つ僕に伝えてくれます。
その内容は業務的な情報共有ではなく、ただの感想に近い。
ですが、僕は彼のその感想を聞く度に「一つ一つの物の良さを探して人に共有する楽しみ」を改めて、実感する事が出来る。

古着を買うこと、古着を売ること、それはいずれも「どこかしら、何かしらを許す行為」に繋がってきます。
大きさも全く自分が意図するサイズじゃない。
穴が空いていたり、汚れが付いていたり、ハチャメチャ適当なお直しがされていたり、新品の洋服だと販売することなんて絶対に考えられないような状態になっているものもある。
仕様/シルエット等、その時の時代感に合わない形のものも常にそこにある。
現行品を買い物する際も「許す行為」が必要な場合がありますが、古着の場合はその「許す行為が必要な項目」が圧倒的に多いです。
良いと思ったから許す。
好きになれる部分があったから許す。
面白いと思えたから許す。
「綺麗に整っていること、上質な素材を使い丁寧に縫製されていること、かっこよく作られていることだけが、正しさではない。」
新品の洋服だけでは伝えることが難しいことを、古着を通すことで伝えやすくなる。
それに気付いた時、僕はMANHOLEというお店が好きになりました。






” 1980’s ISSEY MIYAKE PERMANENTE “
– WIND COAT –
このコートは、1980年代のISSEY MIYAKE PERMANENTEのWIND COAT。
通称イカコート。
これは冒頭で説明した中台の買い付けには珍しく「探しやすい古着」。
何かを許す必要すら感じさせない、名作です。
MANHOLEの古着の面白さは、探しづらい物を許し続けている道中、こういう洋服に出会った時に改めて感動が出来る点にもあるのかもしれません。
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河上 尚哉
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