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理由





こんにちは。
MANHOLEの河上です。

CLASSから組紐が届いた。
和装の帯締めに使う、シルク100%の丸打ち紐。
「何に使うんですか?」と、お客さんに質問されたところ、僕は答えに詰まった。

一体何に使うつもりで、僕はこれを仕入れたんだろうか。





「何に使うんですか?」と聞かれて「さあ〜、何に使うんですかね?」なんて回答は、一度でもMANHOLEに来たことのあるお客さんだったら許してくれるかもしれないけど、初めてMANHOLEに来るお客さんはきっと許してくれない。

今までの人生で組紐について調べることも無かったので、調べてみることにした。




調べている最中、一昨年の冬に亡くなった祖母のことを思い出した。
和裁士と着付け師だった彼女の部屋で見かけた道具が度々登場する。

彼女の得意料理は「冬瓜のひき肉あんかけ」。
幼い僕が「ばあちゃん、これ美味しい!」と伝えたのが余程嬉しかったのか、頻繁に作ってくれた覚えがある。
冬瓜を一度でも自分で料理したことがある方ならわかると思うが、冬瓜は大きい。
一度買うと数日、冬瓜料理が続く。付け合わせも冬瓜、汁物に入っているのも冬瓜。

僕が高校一年生の時、両親が2週間ほどの海外出張に出かけた期間があった。
毎食祖母に冬瓜を振舞われ続けた三日目の晩、冬瓜を盛大に吐いて以降、僕は冬瓜が食べられなくなった。ついでにスターフルーツも食べられなくなった。きゅうりは好き。

あの時の僕に必要だった行動は、黙々と冬瓜を食べ続けることではなく、たまに自分で料理を作り、祖母に振る舞うことだったように今は思う。
差し出された物を受け入れるだけではなく、差し出された物を嫌いにならない為に努力する必要があったのである。


いけない、また全然関係のない自分の話をしている。
今日は組紐の話。





調べた結果、組紐に関してはなんとなく知ることが出来たけど、結局僕が「なんでこの組紐を仕入れたのか。」と言う答えには当たり前のように辿り着かない。

紐は紐なので、思いつく限りの洋服に結んでみる。
普通に着るだけでは見えてこない、それぞれの生地の新しい顔を垣間見ることが出来る。

装飾的要素も強いけど、結びやすく解けにくい特性がある。
普通にベルトとしても機能する。
僕と中台のように、飾り気のない人間がつけていたら、もしかすると面白いかもしれない。





特に季節性があるものでも無い。
試しにこの冬気に入って着ていた、めちゃくちゃに硬い生地のコートに締めてみる。
元々全く存在していなかったウェストシェイプが生まれて面白い。
隣で見ていたよしろうに、「河上さん、背中めちゃくちゃかっこいいです!」と言われた。
ありがとうよしろう。気分が良い。



” CLASS “
– Diki Diki – ¥25,000+TAX-




意味のない行為、無駄な行動だからこそ、後から理由を自分たちで考えることが出来る。


僕は今、なんとなくこの組紐が良いと思っている。
理由はまだない。





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河上 尚哉

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