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ぼくらは今日もぺらぺら




僕らはいつもぺらぺら



こんにちは。
MANHOLEの河上です。

のんびりとした日々が続きます。
今日もお客さんとぼーっとしてたら一日が終わってました。
毎年、この時期はやらなきゃいけないことが頭の中で少しずつ積み重なっていくタイミングです。
ぼーっとすることに対する背徳感と、ぼーっとすることに対する焦燥感。
春は複雑ですね。





さて、今日紹介するのはFRANK LEDERのぺらぺらのコート。
去年仕入れたRUBBERIZED COTTONが気に入ったので、今年も仕入れてみました。
ラグラン / ツートーン / 着丈が少し長い等、仕様の違いはありますが、僕が「良いなあ。」と感じる点は変わらない。

僕は良く「ぺらぺらのコートが好き。」なんて、ぺらぺらとお客さんに喋ったり、ぺらぺらな文章を書いたりしていますが、ぺらぺらだったらなんでもいいってわけじゃありません。
このコートはぺらぺらしているのに、ぺらぺらした僕がぺらっと羽織っても、不思議と着た時の印象はぺらつかない。

ぺらぺらしているから着心地は軽い、ぺらぺらしているのに着た雰囲気は重い。
ぺらぺらしているから春の麗らかな風になびく、ぺらぺらしているのに風光る春にアンニュイな影を落とす。

「春だから」といって、無理に爽やかになるつもりも無い僕にとってこの気怠げなコートはちょうどいい。




” FRANK LEDER “
– VINTAGE FABRIC EDITION COAT – ¥138,000+TAX-





そんなFRANK LEDERのぺらぺらのコートですが、「洋服を通じて何かを伝えたい。自分の作るものに共感できる人だけ、好きな人だけ、面白いと思う人だけ手にとってもらえれば良い。」なんていう意思を強く感じます。

誰にでも似合うように内容を詰め込められた物よりも、こういった特定の誰かをめがけて作られた事により何かが欠けている、何かが足りない物の方がよっぽど胸を打たれる瞬間があるのです。

見た目も口先もぺらぺら。頭の中身はスカスカな僕たちだけど、誰かに何かを伝えたいからお店をやっています。

だからこそ、誰かに売り方まで完璧にお膳立てされた何かよりも、どこか何かが欠けている洋服くらいの方が「良いなあ。」と、思いながら紹介できるのだと感じます。

既に詰め込められた物を捨てる作業よりも、足りない何かを考えながら補っていく方が、よっぽど楽だし楽しいんじゃないでしょうか。





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河上 尚哉

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