カバーオールが好きだ
カバーオールが好きだ。
まず名前がいい。
どこまでがカバーオールで、どこからがカバーオールじゃないのかわからない感じも好きだ。
厳密にいうとカバーオールじゃないものもカバーオールだと認識してそうだけど、別にそれはどうでもいい。
古着屋さんにたくさんあるのも好きだった。
ビンテージかどうかはどうでもいい、とりあえずかっこよかったらなんでもいい。
けど、やっぱりかっこいいものは古くてそれなりにいい値段がする。
綺麗じゃなくていい、ちょっとボロいくらいがいい、ボロボロでもいい、内側のブランケットは出来れば無いと嬉しい。
そんな理由で見るだけ見てるうちに、結果的にどれでも良くなってカバーオールを買わずに違うものを買って帰るのも好きだった。
僕らが中学生や高校生の時にあんなにたくさんあったカバーオールは一体今、どこにあるんだろう。
国ごとに形は変わる、雰囲気も変わる。
「僕は、ワークウェアです。」と思いっきり主張するものが多いけど、たまに「僕は、ドレスクロージングですよ〜。」となんとなく主張するものもある。
昔から着ているはずなのに、着ていると何故か「あら、意外なもの着てますね〜。」と言われるけど、カバーオールが好きだ。
タンクトップの上からテーラードの上まで、とりあえず困ったらカバーオール。
カバーオールは生地/サイズによってはシャツのようにも使える。
カバーオールに良さそうな生地を見つけたらカバーオール。
こうしてカバーオールばかりに頼っていると売り場がカバーオールで溢れてしまうので意識的にセーブしている。
カバーオールだったらなんでもいいんだけど、カバーオールだったらなんでもいいってわけじゃない。
と、いうわけでULTERIORの牧さんにカバーオールを作ってもらった。
この洋服もまた、去年の真夏に抱いた「なんか羽織りたいな〜。」という気持ちを埋めてくれるようなものになったと思う。
ULTERIORが21SSシーズンに向けて開発したリネン刷毛目ツイードの生地がとても良かった。
真夏の湿度に包まれた状態でも、動けば風が抜けてくれるはずだ。
仮に汗でびしょびしょになったとしても、帰って洗濯機に突っ込める気軽さもいい。
何より織りの表情が、かっこいい。
ベースにしたカバーオールは中台の私物、ボロボロのアメリカもの。
「サンプルで牧さんに渡すから貸してよ。」と言ったら貸してくれた。中台いつもありがとう。
袖付けだけ少し前に振ってもらって、あとは全部牧さんにお任せ。
別注をお願いする際、あれこれ指定すると「ぼくのかんがえたさいきょうのようふく」みたいな物が出来上がる気がするので、大半の部分は誰かに丸投げするようにしている。
僕らはデザイナーでもなんでもない、いつだってただのお客さんでありたい。
お任せした結果、とてもかっこいいものが出来上がりました。
平打ちの釦もかっこいいですね〜。
6〜7月ごろに発売する予定だったんですが、売り場が寂しくなってきたので明日からお店に並べます。
こんなにゆる〜く告知してもきっとすぐに無くなってしまうだろう。
僕は何もしていない(牧さんと喋ってただけ)んだけど、自信作です。
気に入ったので、いつか生地を変えて作るかもしれないし作らないかもしれません。
明日また中台から適当に紹介してもらいます。
河上 尚哉
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