履いた人にしかわからない
「何故今まで避けていたんだろうか。」と、疑問に感じるほど履きやすいRossa木型/ボロネーゼ製法のFG417。
テーラードが好きな大人の方からドレスっ気の無い若者まで、幅広く受け入れてくれる靴だ。
履きやすいからついつい履いてしまう。
今は「裾幅の広いパンツに合わせると気分がいいな〜。」と感じているけど、それは単純に僕の気分の問題だと思う。しばらくしたら違う理由を見つけて、気に入って履いているんだろう。
ボロネーゼ製法/ウェルト厚3mm/シングルレザーソール/芯の無いヒールカップ。
履き馴染みの良さ、返りの良さと引き換えの華奢な作り。
その為、若者には「ソールが削れすぎたら終わり(補修すれば延命は出来る)だから、そこだけ気をつけてね。」と言いながら渡している。
そのせいか彼らはお店に顔を出すたびに「河上さん、これソール大丈夫ですかね?あと手入れの仕方もう一度教えてください。」と聞いてくるようになった。
こうして革靴との適当な付き合い方がお客さんの中に定着していくと僕は嬉しい。
さて、僕の地道な逆営業の末、唐突に入荷することになったFG417。
当初、SIZE:40/41/43のTOTAL5足で届いたけど、いつのまにか41と43が1足ずつ。
体感だけど、普段のサイズ通り/もしくはハーフサイズほどあげて履いても良いと思う。
甲革はELEFANTE OPACO。
本モデルは古い象革を用いているようで、現行の象とは腑の出方が違うらしい。
野趣溢れる質感とは裏腹に、繊維質がふわふわしているから驚くほど軽い象の革。
丈夫さは見た目やイメージ通り。
古い革だろうと新しい革だろうと色がなんだろうと形がなんだろうと。
象革の合わせ方に正解も不正解も何も無い。
日々「なんかいいな。」と「なんかやだな。」がコロコロと入れ替わってしまう僕らのような人間にはぴったりな革だ。
今は冒頭に書いた通り、裾幅の広いパンツの裾から覗くポインテッドトゥがなんとも心地よい。ご覧の通りボリュームは皆無。
夏場の軽やかに踊る生地から、冬場の重々しく揺れる生地まで。
静かに主張をしながら足元を支えてくれる。
「高級感溢れる」とか「一生もの」とか「上質な革」とか「質実剛健」とか「希少なモデル」とか。
この靴もそーいう見方をすればもしかするとそうなのかもしれないけど、そういう世界観とは全く別の。
履いたことのある人だからこそわかる良さ / 履いた人にしかわからない良さを感じることの出来る靴だと思います。
ご興味ある方は是非。
河上 尚哉
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