大切なのは部分じゃない
CLASSのカジュアルジャケット:BLACK PINE。
誰がどう着ても構わないようなジャケットだけど、MANHOLEでは「バイト代や月給を工面しながら熱心に買い物をしてくれる若者に提案したい。」と考えてオーダーした。
大きいのでアウターのようにも使える。
もちろんアウターとしては寒い。だからこそ、頭を使って冬を乗り切って欲しい。
家にある洋服、これから手にする洋服、それらを使って冬を乗り切って欲しい。
僕らも若い頃そうしていた。そうした結果、今の僕たちがある。
それが良いか悪いかは別として、今のところ、僕らは毎日が楽しい。
お金を出して暖かいものを買うのは簡単だ。
お金を出さなくても、暖かいものを買うのは簡単だ。
ただ、冬の装いにおいて楽しいのは「洋服単体での暖かさ」ではなく「それぞれの生地/糸/作りが持つ機能、特徴、特性」を組み合わせ、どう寒さを乗り切るか/どのバランスで気分が良かったかを実際に体感して試行錯誤することでもある。
このスウェットは寒そうで実は暖かい。
このニットは暖かそうに見えて実は寒い。
何かの下にデニムジャケットを合わせたら風を通さなくて暖かかった。
フリースの上に風を止められる物を着たら暖かかった。
このタッチのカシミアは外だと暖かくて室内では暑すぎなかった。
布帛に布帛を重ねても暖かくなかった。
で、その上で自分の中で「格好いい」と思える組み合わせ、最低でも「気分は悪くない」くらいの地点に落ち着く必要がある。
その答えは、人の言うことを聞いているだけでは見つけることが出来ない。
自分の住む場所、自分の肌とあう生地、自分の生活スタイルに基づく自分だけのバランス。
そして、大切なのは部分じゃない。
合わせる洋服合わせる靴合わせる装飾品、そして、それを着ている自分を合わせて全部で一つ。
ちなみにCLASSの洋服:BLACK PINEも一つ一つの作りが合わさって全部で一つ。
「このジャケットのどこがかっこよく見えて、どういう意図でこのデザインになっていて、どういう点が拘っている。」
という一つ一つの部分を(ある程度)説明することは出来るけど、だから一体なんなんだろうか。
合わせる洋服合わせる靴合わせる装飾品、そして、それを着ている自分を合わせて全部で一つ。
「ジャケットだからこう合わせなければならない。」
「ジャケットだからこう合わせた方がかっこいい。」
「ジャケットだからこの組み合わせは向かない。」
「ジャケット」という形をしているだけで、そういうロジカルな何かが付き纏うけど。
僕らはかっこよければいいと思う。同時にロジックから飛び出すならばかっこよくなければ駄目だと思う。
ちなみにそういうバランスは「着崩し」なんて適当な言葉では表すことが出来ない。
洋服の組み合わせだけで、人間が歴史/生活背景/時代を背負いながら作ってきた「洋服」を崩すことが出来るわけがない。
合わせる洋服合わせる靴合わせる装飾品、そして、それを着ている自分を合わせて全部で一つ。
大切なのは部分じゃない。
部分部分が全部で一つ。
だからこそ、結果的に一つ一つの部分が大切なのではないでしょうか。
さて、CLASSのfukinsei。
今日は空いた間をシャツとネクタイで穴埋め。
空きっぱなしも芸がないので、たまには他の何かで埋めてみるのも良いと思います。
折角なので、シャツとネクタイとジャケットで穴埋め。
あ、この上から更になんか着ることが出来そう。
楽しい。
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河上 尚哉
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