ヨユーで超えてくるヨ
こんにちは、僕ですの鶴田です。
今年はなんだか、冬の訪れが早い。この前なんて、朝起きたら霰(あられ)が降っていた。一日の始まりからモチベーションがダダ下がり。そう、僕ですの鶴田は寒がり。暑がりの河上がいる夏のMANHOLE店内は冷房18℃の極寒地帯なので、そのころにはこの会社を辞めてるかもしれない。彼のタンクトップ着用時体感温度は、僕のジャケット着用時体感温度をヨユーで超えてくる予感がしているから。

寒がりの僕は、店内であったかそうなベストを見つけた。
ベースはALPHA社の民生用MA-1。ゴールド、ってところもたまらない。袖を断ち切りベストにして、ライニングにはふわふわのフォックスファーをあしらっている。

裏返すと、こんな感じ。どちらが表なのかはその人次第だけれど、暖かいのは間違いなくファーを内側にして着る方。でも、せっかくなので狐を陽の目にさらしたい。

出勤時の身なりにそのまま羽織ってみたら、こんな感じ。「コーディネートとして合ってるとか合ってないとか」そんな気忙しさをヨユーで超えてくる何かが、即座に出来上がった。

ツイードと狐だから「ハンティング?」とか理屈上では合っているんだろうけど、それはヘリクツでしかないし、そんなことを想像しながら他人のコーディネートを見ている人はどこにも存在しない。

テーラードジャケットの上にフライトジャケットを羽織るのは(裾リブのテンションがいい意味でシルエットを崩してくれるから)昔から好きだ。そこに加えて狐の存在感。ファンタジー。
おじさんがジャケットの上から羽織っても良いわけなので、若い女性が素直に羽織っても勿論良い。

ほら。

ね。

女の子がハイゲージニットの上にさらりと羽織るとボリュームのメリハリがついていいよね、みたいなロジックをヨユーで超えてくる。ファッションなんて、ぱっと見が8割。「一口食べてまずい料理でも、我慢して食べ続けているとだんだん美味くなる」なんてことがほとんどないのと同じように。
逆に、ぱっと見でカッコよかったものは、よくよく見るうちに更にカッコよくなることが結構ある。第一印象の「カッコいい」が既に興味を引いているいる時点で、8割方勝負は決まっているからだ。反対に幻滅することがあり得ないわけではないけれど、それは第一印象を見極める自分の目がまだ未熟だっただけのこと。たぶん、最初から大してカッコよくなかったんだよ、それ。っていう。

まぁ、でもこの狐の場合、最初からカッコよかったんだろうな。そうでなきゃ、こんな笑顔にはなれない。おじさんの笑顔と違ってカラッとしてますねぇ。この表情だったら、膝小僧の寒さもヨユーで超えてくる。
そうそう、河上はこの狐を見ながら「ギャルよ、来い」と繰り返し呟いている。女の子に買ってほしいらしい。寒がりの僕は「春よ、来い」と繰り返し呟いている。しかし、春を待つ寒がりの僕でも狐面を表にして着たいくらい、このベストは冬をヨユーで超えてくる。

BLESS
– Richboypoorboy Vest –
¥354,200- (tax included)
なんだかんだ言って、冬のほうが洋服を着ることを純粋に楽しめるから。
ファッションは、僕らが思っているよりもずっと多くの色んなものを、ヨユーで超えてくる。
鶴田 啓
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