穴が空いていてもいい。


こんにちは。
MANHOLEの中台です。
パンチングウルトラスエードを用いたショートパンツ:CLASSのMississippi。
Karachi同様、GREY / LIME / CITRONの3色。
どうやら打ち合わせの際CLASSのデザインチームから「パンチングのショートパンツもいいよね〜。」という話が出たようで、そのままの流れで「では、それも。」と作ることになったらしい。
短パンを穿いているイメージの無い河上だけど、そんなことは関係無い。
穿いていないだけで、嫌いでもないし、穿けない訳でもない。
穿くタイミングが河上の中で無かったんだろう。
それに、僕らはとりあえず他人の感覚に身を委ねてみるのが好きだ。
新しい発見や楽しみ、変化は、まず受け入れることから始まる。


形はバスケのゲームパンツみたいなバランスのバギーフィット。
アメリカの大型スーパーなんかに行くと山のように売っている、僕にとってはお馴染みのシルエットだ。
もちろん、生地が全然違うことで、見え方も穿いた時の印象も新しい。
それに、とても快適。
このパンツなら家でも外でも、一日中穿いていられる。
短パンなんて、丈が短ければなんでも涼しいんじゃないかと思っていたけど、これ以上に涼しい短パンにはまだ出会ったことがない。



涼しさも相まって、ジャケットやGジャンなんて、普段夏場には着ないような洋服を合わせてみた。
CLASSのMississippiは夏服の選択肢を少し広げてくれるようなパンツだ。
と言っても、真夏はどうせシャツやカットソーを合わせると思う。
それでも少しでも、暑さで体が洋服を拒否する時期を短くする何かがあるとしたら。
僕らはこの洋服にその何かになりうる可能性を期待してしまう。

” CLASS “
– Mississippi – ¥42,900-( tax included )
この洋服の一番の魅力は、楽で快適なところでも、パンチングによる涼しさでもなく、「穿いていて楽しいこと」だと思う。
このパンツに足を通した際、「今年の夏は暑くてもいい。」という暑さを受け入れる心の余裕まで。
僕らに、感じさせてくれる。
LIME / CITRONは、明日のBLOGで改めて紹介します。
※7月2日から販売を開始します。
中台 竜郎
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892
穴が空いていてもいい。
裏切りのパンツ
パンチングウルトラスエードを用いたCLASSのリブパンツ:Karachi。
盛夏に向けて色数を足してリピートした。
サイドシームの無い立体的なシルエットだったり、東レが開発した機能素材:ウルトラスエード®︎の性質を肌で感じることが出来たり等、細かく挙げると特徴の多いパンツのように思う。
だけど、小難しく考える必要はない。
このパンツを穿く入り口に「コーディネートがどうこう。」とか「足し算引き算」とか「ヌケ感/差し色/あえての〜」等から始まるなんか言い訳くさい業界っぽいつまらない要素は必要ないのだ。
さて、パンチング加工が施されたウルトラスエード。
肌から離れ立体的に体を覆う穴だらけの生地は、体を動かすことで肌と生地の間に風を生み出してくれる。
この穿き心地は新感覚だ。
スポーツ物の化繊のメッシュパンツとも違う、風通りは良いけど高い湿度で生地の目を潰されてしまうリネン等の一般的に夏に涼しいとされている素材とも全然違う。
洗える/洗濯乾燥を繰り返しても生地の変化がほとんどない/無数に穴が空いているせいか割とすぐ乾く等の機能的要素も合わさって、ついつい穿いてしまう洋服になるはずだ。
そうして気に入って穿いている内に、もしかすると「コーディネートがどうこう」とか「足し算引き算」とか「抜け感/差し色/あえての〜」等の要素が必要となってくるのかもしれないけど。
少なくとも、僕らは今回のパンチングウルトラスエードだろうとなかろうと、このCLASSのKarachiという型のパンツを「好きだから、楽だから、このパンツじゃないと出来ないことがある気がするから」穿いている。
今回、GREY / LIME / CITRONという色を選んだ理由は「ただ、なんとなく」だ。
ただ、なんとなく選んだこの3色も。
ただ、なんとなく気に入って穿いている内に、「好きだから、楽だから、この色の、このパンツじゃないと出来ないことがある気がするから」という内容に変化していく。

” CLASS “
– Karachi – ¥45,100-( tax included )
CLASSのKarachiの一番の魅力は「今まで自分が理由なく避けていた物。言い訳をして遠ざけていた物。なんとなく手を伸ばしていなかった物」を受け入れる為の、きっかけになる点だと思う。
男性の買い物は、物に対する理由や裏付け / 自分を納得させる言い訳等、様々なきっかけが必要だ。
僕らもそういうややこしい何かに縛られ続けている。
ただ、時にはそういう「ややこしい何か」から自分を少しだけ解放してみること。
「ただ、なんとなく良いと思う。妙に気になる。昔は嫌だったけど今は許せる。」と、感じた際に素直に受け入れてみることが必要なのかもしれない。
何かの誰かのどこかの「自分が知らない良さ」は。
自ら避けてきた、欠けてしまった(穴の空いた)部分にこそ、見つけることが出来るのだろう。
※7月2日から販売を開始します。
河上 尚哉
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892
リブパンツが好きだ。
正確に言うと、リブパンツに合わせてジャケットを羽織るのが好きだ。
もちろん、リブパンツも羽織るジャケットもなんでも良いわけじゃない。
リブパンツにも色々ある。
厚手のスウェット、薄手のスウェット、厚手のナイロンのもの、薄手のナイロンのもの、暖かみのあるウールのもの、なめらかなウールのもの、などなど本当に色々ある。
裾の仕様も生地を折り返してゴムを入れただけのものから、フライスを用いて肌によりフィットするようにしたもの、ドローコードを入れたもの、ジップがついているものなど色々ある。
作られた目的は様々だけど、今の時代では大体がスポーツ/リラックスウェア。
部屋着の上からたまたま近くにあったジャケットをそのまま羽織ってきた、くらいの感じは今までの自分にとって、とても現実的で共感の出来るストーリーだ。
季節に応じて、天候に応じて、気分に応じて、生地も仕様も形自体も合わせるジャケット自体も変化させられる点は何より飽きが来ない。
ジャケットを羽織りたくない時はニット、シャツ、スウェット、カットソー、割となんとでも合わせる。
部屋着の上からたまたま近くにあった洋服をそのまま着て来た、くらいの感じも今までの自分にとって、とても現実的で共感の出来るストーリーだ。
季節が変わって、天候が変わって、気分が変わって、リブパンツを外に着て出かけない事も当たり前にあるし、最近は裾幅の広いパンツに気を取られて正直リブパンツを穿く機会も少ないけど。
リブパンツが好きだ。
正確に言うと、リブパンツに合わせてジャケットを羽織るのも好きだ。
盛夏に向けて用意したつもりのパンチングウルトラスエードを用いたリブパンツ:CLASSのKARACHI。
僕らの当初のオーダー数が弱気過ぎたのか、盛夏どころか春先までもたなかった。
いや、本音を言うとどう考えても透ける穴だらけの変な生地のパンツを20本近く仕入れた自分達を褒めてあげたいくらいなんだけど。
そういう「自分たちのちょっとした冒険心」。
それを拍子抜けするくらい簡単に受け入れてくれるMANHOLEのお客さん。
こういう経験をする度に、僕らは目の前の人を侮ってはいけないと改めて痛感するのである。
さて、そんなパンチングウルトラスエードを用いたリブパンツ:CLASSのKARACHI。
今度こそ盛夏に向けて用意した。
湿度が上がり、気温も上がったタイミングで足を通してこそ。
このパンツ本来のポテンシャルを感じることが出来るだろう。
色はGRY / CITRON / LIMEの3色。
サイズは1/2/3の3サイズ。
まだ届いてないけど、同じ色でショーツも作ってます。
と、いうわけで今週はCLASSのパンチングウルトラスエードシリーズの紹介を行います。
発売は7月2日(金)から。
河上 尚哉
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
M : info@manhole-store.com
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こんにちは。
MANHOLEの中台です。
しばらくサボっていた古着の入れ替えをしていたら、気付けばこんな時間に…。
半袖シャツやTシャツ等、夏モノをメインにかなり沢山用意しておきました。
スカスカになっていたラックが久しぶりにパンパンです。
ようやく夏らしくなったMANHOLE。
色を楽しんでもらえたら嬉しいです。
それでは良い週末を。
MANHOLE official instagram
中台 竜郎
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僕のこの春夏のお気に入り:cantateのコットン/シルクシャツ。
本当は今回紹介するモデルのみで生産を進める予定でしたが、企画を進めている途中で「そういえば、cantateの襟型もかっこいいですよね〜。」と、急遽作ることになったのが2月に発売したモデル。
便宜上、今回発売するものをMANHOLE襟型。
2月に発売したモデルをcantate襟型と呼ばせてもらいます。
さて、どう違うかというと襟の形/台襟の高さ/ネックの寸法など結構色々違います。
襟まわり以外の仕様は変わりません。
左がMANHOLE襟型/右がcantate襟型。
MANHOLE襟型はやや小ぶり、台襟も低い。
加えてネック寸がsize:46で43cm。
普段ネック寸38〜39cmくらいのシャツを着ている僕らにとっては襟下がりがつくようになります。
cantate襟型はネック寸がジャストのものを選べばタイドアップが出来る。(もう無いので正確には、出来た。)
MANHOLE襟型は襟下がりがついて中性的な印象になる。くらいの印象の違いだと思っていただければ十分だと思います。
さて、ネック寸の緩いシャツ。
上まで閉めると僕はなんとなく落ち着かない。はだけると少し落ち着く。
僕が持っているカジュアルシャツは古着だろうがデザイナーズだろうが何故かだいたいネック寸が大きいので、僕がいつもシャツをはだけて着ているのはそのせいです。
今回のcantateのコットンシルクシャツは、MANHOLEのお客さんに自信を持ってシャツをはだけて着てもらう為に作りました。
別に「どこの釦まで閉めて〜。」という決まりごとは無いし「どこの釦を留めた方がいい。」というおすすめも無いので、歩いている最中、朝鏡を見る際などになんとなく落ち着く着方をすれば大丈夫です。
これはsize:46を着ている中台。
シャツのサイズ感としては十分大きいので、無理にサイズを上げる必要はありません。
このシャツのユニークな点は「背中にダーツが入っているのに身幅が大きい/身幅に対して着丈がそこまで長くない」ということです。
ただ単純に大きいシャツとは違った見え方がする理由の一つです。
「ネック寸が緩い/身幅は緩いけどダーツは入っている/着丈が長くない」という、少なくとも僕らの体型には全然合わないシャツ。
このシャツに自分を合わせる為には、相当の苦労が必要になります。
だけど、僕らはそういう自分に合わない物をどう着るのかを考えることが出来ます。
例えば、ネック寸が緩いから/はだけて着るからこそ生まれる空間を、何で埋めるのかを試しながら楽しむことが出来る。
これからの季節は素肌/もしくはタンクトップと合わせて。
涼しくなったら中にタートルネックのニットや思いつく限りの物を合わせて見て欲しい。
これが、僕が真夏にこのシャツを発売したかった理由です。
さて、そんなcantateのコットンシルクシャツ。
「このシャツを企画して、松島さんにお願いしてよかったな。」と感じたのは、シャツ自体がかっこよかったり、この生地の着心地がどうこうだったり等のそういう部分だけではありません。
洗いざらしで着れなくもないんだけど、アイロンをかけた方が気分良く着ることの出来る点。
何故かメンズのカジュアルシャツでは「洗いざらしで着られるシャツ」が重宝されますが、たまにはアイロンかけるのも悪くないですよ〜。
雑でズボラな僕でも、5分プレスするだけで十分綺麗になります。
MANHOLEを開く際「スチームだけだと足りないよな〜。」と思って買っておいたアイロン台とアイロンが役に立つ日が来て僕は嬉しいです。
ただ、お客さんがしわしわのまま着ているのを見ても「あ〜、なんかこれでもいいな。」と思えるのが不思議。
必要以上に安そうにも、必要以上に高そうにも見えないのが。
このシャツの本当の魅力なのかもしれません。
シルクを使っているとはいえ、本企画に用いられるのは洗えるシルク。
僕は思いっきり洗濯機に突っ込み、たまに乾燥機にもかけています。
右が未洗い、左が洗濯乾燥済み。
こう見るとあまり変わりませんが、洗うとシルクの糸がくしゅくしゅしてきます。
乾燥機は必要以上に縮むのでおすすめはしませんが、洗濯乾燥を繰り返したらいずれこのサイズ感に落ち着くということを考えると、別にいいっちゃいいのかもしれません。

” cantate ” – COTTON/SILK SHIRT –
Color:OFF WHITE
Size : 44/46/48
Price:¥52,800-(tax included)
なんか久々に丁寧なBlogを書いた気がします。
本来自分の体型には絶対合わないはずのシャツを、本気で作ってもらいました。
あまり着るのに気を遣わない点は、ベースの僕の古着のシャツと変わらない。
ですが、自分の生活スタイルを少しだけ変えてくれる洋服というのはやっぱりいいものですね。
生地がどうこうや着心地がどうこうだったりは、実際に着て生活してご体感ください。
少なくとも、僕らが適当にはだけて着ていようが適当な洋服に適当に合わせていようが。
「そのシャツなんですか〜?」と気にしてもらえるシャツであることは間違いないようです。
明日はよしろうがいるので、彼にオンラインストアに掲載してもらいます。
遠方の方も是非。
河上 尚哉
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
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こんにちは。
MANHOLEの中台です。
今朝河上から、「これ、サンプル届いたからBLOG書いといて〜。」と、手渡されたTシャツとタンクトップ。
この夏最後のNICENESSとの企画らしい。
そういえば何度か横で打ち合わせをしていた気がするけど、あまり聞いていなかったので詳細が分からない…。
僕は聞いているふりをして聞いていなかったり、聞いていないようでしっかり聞いてたりします。今回は聞いているふりをして聞いてませんでした。
「まあ、聞いてないくらいでいいよ〜。」と、詳細を僕に伝えることなく店を後にした河上。
カラオケで知らない曲をアドリブで歌うような、そんな気分でお届けします。


まず、色が良いです。
確か2色展開と言っていました。もう一色は何色なんですかね〜。
それと生地。
これは過去に僕が触ったことのある生地のタッチではない。
ましてや古着では絶対に存在していないタイプの質感。
シルクと何かの混紡と言っていたような…。
下手なことを書いて違っていたらアレなので、とりあえずシルクと何かの混紡と言っていました。

一枚で着てもいけそうなタンクトップ。
どこを探しても見つからなかったバランス。
ボディーメーカーのはタイト過ぎるからあくまで下着なんだけど、これはどちらでもいける。
袖がリンガーっぽくなっているのが可愛いTシャツ。
これは僕の古着のリンガーTをベースにNICENESSのデザインチームが作ってくれたもの。
今日お見せしているのは、サンプルの未完成な状態。
まだ完成はしていないので、現段階の紹介としては僕のちゃんと聞いてないくらいの情報がちょうどいいのかもしれない。
そういえば一体いつ納品されるのか。7月?いや、8月と言っていたような。。。あれ、9月?
・・・7月から10月の間には届くと思います。
とりあえず製品が届いたら河上が書いてくれるはずです。
それではまた。
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中台 竜郎
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たまには忘れてもいい。
名もなきニット
去年の秋冬に少しだけ復刻を匂わせていたCLASSのスウェットシャツ:fukinsei。
実は密かに進行してもらっていました。
本当は今年の3月頃売り場に並べる予定だったんですが、例のごとく僕の適当な仕事のせい(発注書送るの忘れてた)で次回秋冬シーズンまで引っ張ることに。
そういえば、合わせて提案しようとしていたタンクトップも用意出来なかった(探すの忘れてた)し、このスウェットに使用される特殊裏毛が相当暖かいことに気付いた(自分が着ているのが冬だということを忘れてた)ので、結果的にはよかったのかもしれない。
今年の9〜10月頃に売り場に並ぶ予定のCLASSのスウェットシャツ:fukinsei。
用いる特殊裏毛/ショルダーシーム、サイドシームが無く生地を背中で接ぎ合わせた作り/直線的なアームホール/接ぎの無い筒状リブなど。
特徴的なデザインが詰め込められているはずなのに、初見であまりその部分に目がいかない理由は、やはり天幅35cmというオフショルダーネックラインが生み出す大きな違和感によるものだろう。
発注書を送るのを忘れた結果、サイズ感を見直すことも出来た。
探すのを忘れていたタンクトップも用意することが出来た。
男性服の従来のネックバランスでは発生しない空間、それを何で埋めるかも。
重ね着のしやすい秋冬シーズンであれば、タンクトップ以外にも発見できるはずだ。
やっぱり結果オーライです。
たまには忘れることも悪くないですね。
今気付いたんですが、天幅35cmに合うハンガーなんて手元にはないしそもそも吊るしたら伸びそう。
このスウェット用に什器でも探そうかなあ。
そんなこんな、全て色々楽しみなスウェットです。

河上 尚哉
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たくさん仕入れたつもりだった靴も、残り3足。
Blogで紹介していない洋服はcantateのシャツくらい。
cantateのシャツは真夏から秋にかけての導入として考えていたので、少しだけクッションが欲しい。
と、いうわけで今週は来シーズンに向けて企画している物について書こうと思います。
1974年創業。
仏:H社/C社、伊:D社など、トップメゾンのニット生産を現在も担うイタリア:ボローニャのファクトリー。
そのニットファクトリーが2009年に「BLUM」というニット専業ブランドを発表する。
その後「JP BLUM」に改名、2014年の秋冬シーズンに日本での取り扱いが本格的に始まった。
その後数シーズンかけて日本の市場に少しずつ定着してきたところで、突然ブランドが休止する。
その主な理由は「本業が忙しくなったから。」
「うん、そうか!」と納得せざるを得ない内容だけに、当時のJP BLUM代理店:SEKOND/吉田さんの悔しそうな顔を今でも思い出す。
ネームタグすらニットで作成していたJP BLUM。
「徹底してるな〜。」くらいにしか感じていなかった。
タグのデザインとしては、当時の僕には特別かっこいいものにはあまり見えない。
2021秋冬シーズン、MANHOLEでは幾つかニットを企画している。
その一つの生産を、かつて「JP BLUM」を運営していたイタリアのニットファクトリーに依頼することになった。
リファレンスは90年代のイタリア製モックネックニットソー。
別件で吉田さんの事務所に伺う際「JP BLUMでこういうの作ってくれないかな〜。」と心のどこかで期待しながら着ていったところ、僕の目論見通り吉田さんは声をかけてくれた。
話を聞けば数と値段だけ僕らがクリア出来れば、作れる可能性があるとのこと。
数はビビったけど、値段はそれに見合うものにすればいい。
結果的に数と値段以外にも色々な障壁はあった。
だけど、そういうのは大体吉田さんが片付けてくれた。
僕らが今後どうにかしなければならないのは、お客さんにどう渡すかを考えることだ。
先日サンプルが届いた。
今回企画を進めていて一番驚いたのは、当初ニット成型+カット縫製ありきで考えていたディテールが全てニット成型で上がってきたことだ。
ステッチは減らし目/リブは編み地を重ねて表現している。
「肌当たりも良くてすごく上品になったのは嬉しいんですけど。。。値段結構上がりませんか?」と、吉田さん伝いに工場へ聞いてもらったところ「ウチはニットファクトリーだ。こっちの方が絶対に良いし、縫製を入れる意味がわからない。」くらいの内容で返ってきた。
ここにきて、ようやく僕は「JP BLUM」のネームタグがニットで作られていた意味を理解することになる。
この企画がお客さんに受け入れられなければ僕と中台は今後しばらくは毎日同じ形のニットを色違い/サイズ違いで着続けることになる。
だけど、それはきっと無いだろう。
MANHOLEに通ってくれるお客さんであれば、このニットの良さがきっと伝わるはずだ。
サイズはM/L/3XL。
カラーはC.GRY / ORANGE YELLOW / ROYAL BLUEの3色。
店頭に並ぶのはおそらく10月初旬ごろから。
そういえば、数と値段以外にも僕らにとっての障壁が一つだけ残っている。
それは「JP BLUM」というブランドが過去のもので、今回のニットはあくまでもイタリアのニットファクトリーがMANHOLEで企画したニットの生産を請け負ってくれただけ、ということだ。
簡単にいうとブランド名を僕らで考えなければならない。
吉田さんは「MANHOLEでいいんじゃないですか。」と、ニヤニヤしている。
予期せずMANHOLEのオリジナルブランドが生まれそうです。
今はまだ名もなきニット。
さて、なんていう名前にしましょうかね。
河上 尚哉
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こんにちは。
MANHOLEの石川です。
F.LLI Giacomettiのモンキーブーツ。
河上さんは「後悔の靴」と紹介していましたが、僕にとっては「はじまりの靴」でもあります。
ちゃんとした革靴を買ったのもこの靴がはじめて。
MANHOLEでの買い物もこの靴がはじめて。
2年前にRANDYの取引先としてサラッとしか話したことのない河上さんとちゃんと話したのも、この靴がきっかけだった気がします。
それまでは靴擦れが怖かったり靴磨きが面倒だったりと、何かと理由をつけて敬遠していました。
河上さんが「ゴートは雨にも強くし、最悪靴磨かない人でも履けるよ~。その内磨きたくなると思うけど。」とか「履き始めたら2-3時間くらいで慣れるよ~。」なんてズボラな僕にとっては魔法みたいなことを説明してくれたのも懐かしい。
実際には帰りに駅まで歩いただけで慣れたし、いつの間にか革靴を好きになって気付いたら靴磨きの道具を買っていたり。
今日紹介するF.LLI Giacomettiのモンキーブーツは甲革に英:チャールズ・F・ステッド社のスエード:スーパーバックをのせたもの。
ゴートレザーのモデルは僕が出勤するまでに売り切れてました。
スエードもかっこいいなあ。
馴染みのあるモデルでも、革の違いで新鮮さを感じます。
毛足が短く目の詰まった革は、ゴートレザーとは対照的にマットな質感。
蝋引きの平紐もサイドのステッチも黒いハトメも引き立っていて、上品で色気のある印象。
ローファー、サイドゴアブーツ、グルカサンダルなど色々と買ってきましたが、初心を思い出させてくれて原点に立ちもどれる大事な一足。
僕は、F.LLI Giacomettiのモンキーブーツがはじめての革靴でよかったと感じています。

” F.LLI Giacometti “
– FG496 – [MENTA]
SUPER BUCK NERO ¥115,500- (tax included)
石川 義朗
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
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履いた人にしかわからない
「何故今まで避けていたんだろうか。」と、疑問に感じるほど履きやすいRossa木型/ボロネーゼ製法のFG417。
テーラードが好きな大人の方からドレスっ気の無い若者まで、幅広く受け入れてくれる靴だ。
履きやすいからついつい履いてしまう。
今は「裾幅の広いパンツに合わせると気分がいいな〜。」と感じているけど、それは単純に僕の気分の問題だと思う。しばらくしたら違う理由を見つけて、気に入って履いているんだろう。
ボロネーゼ製法/ウェルト厚3mm/シングルレザーソール/芯の無いヒールカップ。
履き馴染みの良さ、返りの良さと引き換えの華奢な作り。
その為、若者には「ソールが削れすぎたら終わり(補修すれば延命は出来る)だから、そこだけ気をつけてね。」と言いながら渡している。
そのせいか彼らはお店に顔を出すたびに「河上さん、これソール大丈夫ですかね?あと手入れの仕方もう一度教えてください。」と聞いてくるようになった。
こうして革靴との適当な付き合い方がお客さんの中に定着していくと僕は嬉しい。
さて、僕の地道な逆営業の末、唐突に入荷することになったFG417。
当初、SIZE:40/41/43のTOTAL5足で届いたけど、いつのまにか41と43が1足ずつ。
体感だけど、普段のサイズ通り/もしくはハーフサイズほどあげて履いても良いと思う。
甲革はELEFANTE OPACO。
本モデルは古い象革を用いているようで、現行の象とは腑の出方が違うらしい。
野趣溢れる質感とは裏腹に、繊維質がふわふわしているから驚くほど軽い象の革。
丈夫さは見た目やイメージ通り。
古い革だろうと新しい革だろうと色がなんだろうと形がなんだろうと。
象革の合わせ方に正解も不正解も何も無い。
日々「なんかいいな。」と「なんかやだな。」がコロコロと入れ替わってしまう僕らのような人間にはぴったりな革だ。
今は冒頭に書いた通り、裾幅の広いパンツの裾から覗くポインテッドトゥがなんとも心地よい。ご覧の通りボリュームは皆無。
夏場の軽やかに踊る生地から、冬場の重々しく揺れる生地まで。
静かに主張をしながら足元を支えてくれる。

” F.LLI Giacometti “
– FG257 – [Rossa]
ELEFANTE OPACO MARRONE ¥154,000-(tax included)
「高級感溢れる」とか「一生もの」とか「上質な革」とか「質実剛健」とか「希少なモデル」とか。
この靴もそーいう見方をすればもしかするとそうなのかもしれないけど、そういう世界観とは全く別の。
履いたことのある人だからこそわかる良さ / 履いた人にしかわからない良さを感じることの出来る靴だと思います。
ご興味ある方は是非。
河上 尚哉
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
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