あえて抵抗しない
今日は柄の話をします。
となると当然、鶴田です。
僕は柄物の洋服が大好き。
柄と柄を組み合わせて着るのも大好き。
というか、柄物を特別視していないので、もはや柄物を柄物として認識すらしていないのかも。コーディネートするときも特に抵抗しない。僕にとっての柄物とは、もはや無地。
ほら、ここまでで「柄」という言葉が既に9回も出てきたよ。
可愛いねぇ。
始めに言った通り、今日は柄の話をします。
鶴田です。
FRANK LEDERから、カッコいいストライプのコートが届いた。色のトーンはFRANKらしく曇天のムードに沈んでいるけれど、規則的なレジメンタルストライプが全体をシャキッとした印象に見せてくれる。ざらざらのコットン100%でハリがある生地。
柄好きとしては腕が鳴る、総柄ストライプのコート。僕は容赦なくチェックと一緒に着てみた。
面積が広いコートだからと言って、無駄な抵抗をしない。僕にとっては無地同然だから。だし、実際に100m先から見たら、茶色い無地のコートだと思う。
「柄と柄の組み合わせは難しい」「なんで?」「いや、全体がうるさくなりがちだから、計算が必要」「へぇ、うるさいとどうなるの?」「目立ちすぎてお洒落に見えない」「目立たないと、お洒落なの?」「…」「あとさ、お洒落に見えるといいことあるの?」「ある…んじゃない?」「例えば?」「…モテるとか、尊敬されるとか」「誰に?」「いや…うーん」
もはや禅問答の世界。
そう、僕にはファッションの正しさが分からない。
分かるけど、大して信じていない。
だからタブーとされていることからの誘惑に、あえて抵抗しない。
河上にも頼んでみた。
「このコート、柄同士で着てみてよっ」
河上にも抵抗の跡が感じられない。
編み込み柄のニットに、チェックパンツ。
赤い靴まで履いてる。
所詮は洋服。
計算に計算を重ねたところで、相対性理論の真相にでも辿り着くわけじゃ無し。
着てみて、鏡の前で「うん」と思えたら、それが真理なんじゃないかって。
なにより、柄物の洋服は後ろ姿がカッコいい。ロマンチックな気がする。
「え、ロマンチックだと、何かいいことでもあるの?」(フン、さっきの仕返しかよ)「あるよ」「何?」「少しだけ、楽しく生きやすくなるだろ。俺はそうだけど、お前は違うの?」「…」
少なくとも、僕にとって柄物の洋服とはそんなもんである。
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鶴田 啓
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