着心地もいいし
季節の変わり目。雨が降ってミョーに肌寒いかと思えば、突然「え、夏ですか?」というくらい暖かいを通り越して暑かったり。日本の四月は気まぐれ。
こんにちは、鶴田です。
洋服が好きでカッコつけることが大好きな人にとって「着心地がいい」というフレーズはいつだって「かっこいい」の二番手に甘んじる言葉だ。多少着づらくても、かっこよければそれでいい。僕もほとんどの場合は、そう思っている。
しかし、ごく稀に「着心地もいいし、かっこいい」洋服に出会うと、「着心地」という要素の重大さに改めて気付かされる。
僕が着ている、見るからに着心地が良さそうな服。見た目はシンプルな丸首のカットソーみたい。だけど。
河上が着ているのを見ても、やっぱり着心地が良さそうだ。明らかに柔らかそうな、細かいドレープが見てとれる。鹿の子?
ちらりと見える「MADE IN ITALY」のタグ。 こんなに細かい鹿の子、見たことない。
鹿の子って、そもそもはラコステの創始者が初めてポロシャツの素材に使い、世間に広まっていったスポーツウェアの代表みたいな生地だということは知っている。でも、この鹿の子からはスポーツウェアの匂いをまるで感じない。
むしろ、エレガントなムード。
「MADE IN ITALY」のハイクオリティニットと聞いて、勘のいいお客さんは「あのニット」のことを思い出すかもしれない。そう、ご名答です。この鹿の子ニットは「あのニット」と同じファクトリーで作られている。超高級メゾンの仕事もこなすイタリアの名門ファクトリー製なので、そのクオリティはやっぱり超絶レベル。鹿の子生地を縫い合わせたものではなく、完全なるニット成型。
当時、日本でJP BLUMの代理店を務めていたSEKOND/吉田さんから仕入れたこの鹿の子ニット、ES:S(エス)というブランド名がついている。
超・ハイゲージの鹿の子編みをリンキングで成型したニットからは、もうなんというか特別なオーラが放たれている。それは「ニット成型だからゴワゴワしない」とか「ハイゲージ鹿の子の肌触りが恐ろしく軽い」とか、着心地を左右する一面もあるんだけれど「圧倒的な作りになればなるほど見た目がかっこよくなる」というオーラ。「鹿の子だとは思えないくらい柔らかくて豊かなドレープ」もその一端である。
コーディネートは、普通に丸首ニットのつもりで着てもらえれば大丈夫。
天竺のハイゲージとも違う柔らかさにサドルスリーブのスクエアな肩回りがいい感じ。
河上は、よりTシャツ感覚で着用。
袖口リブのテンションはしっかり目なので、暑い日はグイっと袖まくりしてもいいかもしれない。そもそも、鹿の子は凹凸感のある編地なので肌との接地面が少なく、涼しく過ごしやすいだろう。
着心地の良さが、そのままかっこよさに繋がっている感じがする。
スポーツ素材の機能性がハイクオリティの成型に出会うと、これほどカッコよくなるのか。いや、それだけではない。きっと、このファクトリーの美意識とプライドが作用した結果だろう。
「ラグジュアリー」や「着心地」に引っ張られ過ぎた退屈アイテムが嫌いな僕から見ても、これは素晴らしいアイテムだと思う。なにより、美しい。
Tシャツのように着ても、圧倒的に、ニット。 いいね。
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鶴田 啓
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