雨の日とハレの日
最近、雨が多い。梅雨入り?早くない?
関東の梅雨入り時期をざっと調べたところ、ここ10年のデータでは2011年の5月27日というのが最も早かった。つい先日も居酒屋のカウンター越しに、焼き場の大将と常連客が「もうこのまま梅雨入りだな」と話しているのが聞こえた。
このまま梅雨入りなのか?
こんにちは、鶴田です。
梅雨、つまり雨季は世界の中でも東アジアを中心とした一部の地域のみにやってくる季節らしい。気温が少し下がるのはいいけれど、やっぱり足元が悪いと外出も億劫になる。傘やレインウェアもそうだけど、レザーシューズ派の皆様におかれましては、この季節、どんな靴を履いて出かければいいの?という問題。
防水仕様のアウトドアシューズも選択肢の一つだけど、どうにも色気が足りない気もする。
そこで、このMARMOLADA。 ジャコメッティ兄弟が展開するシューズの中でも、伝統的なノルベジェーゼ製法を得意とする登山靴へのオマージュラインだが、 あちこちにドレスシューズの雰囲気を纏っている全体のバランス感覚は、単なる登山靴とは一線を画す佇まい。つまり、頑丈なだけでなく、しっかりとファッション性を感じられるということ。
FG591は5アイレットのレースアップブーツ。外ハトメのワークな顔だけど、アイレットの数が少ないので、ちょっと素っ気ないくらいさっぱりとして見える。
たっぷりと積み上げられたヒール高は約4㎝とボリュームたっぷりだが、力強いステッチが特徴的なノルベジェーゼ製法の割にコバの張り出しが控えめなので、横から見た時と上から見た時ではまったく異なる顔つきになる。
なによりも、アッパーに乗せられたUTAH CALFの上品な光沢が単なるワークブーツとはかけ離れた地点にこの靴を着地させている。
デニム、スウェット、ブーツカットの5ポケットパンツ。かなりアメカジなアイテム群にFG591を合わせた河上だが、不思議とアメカジ過ぎないのはやはりこの靴の奇妙なバランスの存在があってこそ。
強いテーパードのジョッパーパンツにFG591を合わせた、僕。厚底ブーツのボリュームがボトムスのバランスをフレッシュに見せている。
この靴にはプロ仕様の登山用ソール「ST MORITZ(サンモリッツ)」が搭載されている。このボリューム、この迫力。しかし、僕らはこの靴を履いて本気で山に登ろうと思っているわけではない。
無骨なボリュームのソール、反り返ったトゥスプリング、艶めかしい光沢のアッパー。僕たちはこの絶妙なアンバランス加減に惹かれている。
確かにUTAH CALFはスムースレザーに比べて気楽にケアできる。
ST MORITZの屈強なソールは本格的な登山にも耐えうる。
ノルベジェーゼ製法はアッパーとソールの隙間からの水の侵入を防ぐ。
しかし、機能性を重視しながら手に入れたアイテムに、日常から心を躍らせることは難しい。
あくまでも「カッコいい靴」として入手したものが、結果的に雨の日に活躍する。そんな感じがちょうどいいのではないだろうか。
「うわー、今日も雨じゃん」と空を見上げたとき。「どーしよ、何を履いて出かけよう…」と悩むか、「MARMOLADA履いていくか」と即断できるかの差は思いのほか大きい。日常的に気に入っているアイテムは、自然と板についているものだ。雨に備えて不自然な雨靴を買う必要はないと思う。
白いシャツ。頑丈な靴。きちんとしたジャケット。
それらのアイテムには必ず実用的な局面で出番がある。しかし、その出番を待ち続けるためだけに、洋服を買うのはあまりにも消極的すぎる。LEONARDのシャツも、 MARMOLADAのブーツも、renomaのブレザーも、まずは「カッコいい」から始まって、いざというときにも「やっぱりカッコいい」で終わるアイテムとして僕らは紹介しているつもりだ。
だから、まずは取っ掛かりは「この靴がカッコいいかどうか」という、シンプルにそれだけのことでいいと思う。
※適正サイズをご案内するため、MANHOLEではレザーシューズの通信販売を受け付けておりません。フィッティングに関しては是非店頭にてお試しの上、ご確認ください。
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鶴田 啓
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