“SADE PT09” -MANHOLE EDITION-(若者たち)
先週末から販売を開始したSADEのフレアパンツ、PT09は完全なるMANHOLE EDITION。
元々、SADEのデザイナー影山さんのアイデアにあったセミフレアパンツPT01をベースにしつつ、MANHOLEチームが大胆にアレンジ。
アイコニックなフロントボタンの仕様など、目に見える部分の変更は分かりやすいEDITなんだけど、ドレストラウザーズの面白いところは1㎝~数㎜単位の寸法で修正を何箇所も加えると全体の印象が全くと言っていいほど別物になるところ。
こんにちは、鶴田です。

” SADE ” [MANHOLE EDITION]
– PT09 – FLARE TROUSERS
COLOR : Navy / Grey / Charcoal check / Blue check / Green check / Saxe check
SIZE : 0/1/2
¥59,400-(tax included)
色・柄は全部で六種類。プレーンなもの、アメリカっぽい乾いた色調のチェック、英国的に見える格子柄…それぞれに個性がある。
三人の若者たちをモデルに六種類のパンツでスタイリングを組み、スタジオにてルック撮影を行った。






六種類のパンツと六種類のコーディネート以上に、何十通りもの表情を見せつけてくる若者たち。
若者には先入観がない。躊躇がない。むしろ「ドレスシャツだろうと、テーラードジャケットだろうと、レザーシューズだろうと、なんでも自信たっぷりに着てみせる」と言わんばかりのふてぶてしさすら感じる。
「○○は似合わない」「この色は手持ちの服と合わせづらい」「今までに着たことがない」
経験値に色んな理由をくっ付けながら自分自身の外界にあるものを拒み続ける大人と違って、彼らは一旦、目の前にあるものに挑んでみる。そして、彼らにははっきりと見えている。その対象が本当にカッコいいのか否か、ということが。そこに理由は要らず、ただ「カッコいいものはカッコいい」。若さとは、経験の足りなさからくる未熟さや無知と必ずしも=(イコール)ではない。それは、赤ん坊が物事の本質を分かっているのと同じ様に。
そしておそらく、若者には見えない。今回、僕らがPT01のどの箇所にどのような形で㎜単位の修正を加えてPT09を作り上げたのか、という具体的なことが。
だからこそ、いいと僕は思っている。


僕は今までにイギリス製もイタリア製もフランス製もアメリカ製も日本製も中国製も、カッコいいパンツもいまいちカッコよくないパンツも、とにかく様々なパンツを穿いてきた。20歳から洋服屋を(24年間も)続けてきたので、そりゃそうだ。とにかく、ある程度は見てきたし実際に着てきた。そして、いつからか自らパンツを企画したりもするようになった。
洋服を作る側は感性と経験値をフル稼働させて、より良い選択を積み重ねていく。それはデザイナーもパタンナーも縫製工場も、そこに編集を加える僕らショップスタッフも同じことだ。
ただ、それはお客さんに見えないからこそいい。数値的なことや理論的なことは、時々、人の感性の奥深くに侵入してその判断を鈍らせることがある。

先週末の発売以来、たくさんのお客さんがショップに足を運んでくれた。PT09を試着してフィッティングから出てくるお客さんの顔は、みな一様に明るかった。
「このパンツ、めちゃくちゃカッコいいですね」
20歳も60歳も、まるで同じ顔をしていた。若者のような顔。その顔を見ながら、僕もまた嬉しかった。理屈抜きに。
若者が若者たる所以はその実年齢ではない。僕はそう思う。
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鶴田 啓
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