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転覆



昨日河上が紹介していた m’s braqueの陶芸柄ショーツ。

そうそう、こんなのも企画していたんです。「そんなのあるなら、先に言ってよ」と思う方もいるのでしょうか?いや、しかし僕らは洋服屋として当たり前のことを当たり前にやりたい。

同じ柄のカバーオールを売っていた4月の下旬に、街中でショーツを穿きたい気分になっていた人なんて(僕らを含めて)まだいなかったはずだ。だから、きちんと暑くなってから紹介しようと思っていた。というのが正直なところ。

例えば2月や3月にショーツを予約しても、6月には気分が変わってしまうことを僕らは身をもって知っている。実際にその洋服を見に着ける季節になってから、その時々の気分に乗せて洋服を紹介すること。当たり前のことだけど、意外と少なくなってきたんじゃないかなぁ。


こんにちは、鶴田です。


” m’s braque for MANHOLE “
– 2 INTUCK SHORTS – [陶芸柄]
Size : 36 / 38 / 40
¥48,400-(tax included)



ということで、この陶芸柄ショーツ。

改めて、というか久しぶりのこの柄の洋服を見て思うのは「2か月たっても相変わらずカッコいいな」ということ。



フロントは簡素なジップアップ仕様。2プリーツのゆったりとした腰回り。風が通り抜け易そうな広い裾口。

河上が言うように、たしかにこのショーツは「暑い時期にぴったり」だと思う。すべてのディテールが夏を指し示している。暑い夏は誰だって涼しく過ごしたいに決まっているのだから。




僕は昔からテーラードジャケット+ショーツという組み合わせが好きだ。足元はレザーシューズ、なんならソックスもきちんと履きたい派。ショーツを穿くときは長袖を着る。半袖を着るときは長ズボンを穿く。自分の中で不文律のルール、とまでは言わないけれど十中八九、その感覚に従った方が気持ちがよいことを僕は自分で知っている。


「肌見せの分量」は、人それぞれが非常にパーソナルな領域の中に持っている感覚だと思う。体毛の量や肌の色、膝の位置など、すなわち自分の肉体的な特徴と向き合った結果に生まれるバランスだ。肉体は人それぞれなのだから、それについて正解や不正解を一括りに論じることはできなくて当然なのだ。

「気にしなくていいよ」「考えすぎ」「俺は全然気にならないけど」というフォローの言葉を何十篇かけようとも、それは着る本人のパーソナルな感覚の問題なので、他人が一気に覆すことが難しいことも僕は知っている。



つまり、何を言いたいのかと言うと。



他人に自分の感覚を覆してもらうのが難しいのだとしたら。



自分の感覚を根底から覆すことができるのは自分自身でしかない、ということ。



勿論「尊敬するあの人に言われたから」「自分が大好きなあの人がそうしていたから」などと、他人を媒介して芽生える新しい感覚はたしかにあると思う。

しかし、それは根本的に「人を尊敬したり」「大好きな人のことを見ていたり」する時点で既に、ひっくり返されることを望んでスタンバイの状態に自ら入っているということ。このスタンバイ状態に入るスイッチだけは、自分自身にしか入れることが出来ない。



柄物のショーツはちょっと。
ワイドな短パンは体型的に難しい。
体毛が濃いから、膝下は隠しておきたい。

色んな思惑の中で、ここまでこのブログを読んでくれた人。あなたは既に、スタンバイ状態に入っています。

その固定観念を覆すのがMANHOLEのスタッフやm’s braqueの陶芸柄ショーツであるという保証はどこにもないけれど。ただ、あなたは既に自らひっくり返されることを望んでいて、退屈と戦っていて、このまま夏になるにつれてなし崩し的に半袖半ズボンスタイルへ突入していくことを心底ではマンネリだと思っている。

だからこそ、このブログをここまで読み進めてしまっている。 ジャケット+ショーツ+ソックス+ローファーのコーディネートなんて自分では試したことねーよ、と思いながらも。



2月の気分が5月にどうなっているかなんて、分かりっこない。過去の自分と今の自分を比べることなんて意味がないから。いつだって変化は押し寄せてくる。昨日の裏が今日の表かもしれない。

だからこそ、いま目の前にある季節の中で、いま目の前にある洋服と、いま目の前にある自分の姿のままで正面から向き合うことにこそ意味があると僕は思っている。

昨日の自分ではなく、半年後の自分でもなく、現在の自分だけが「そのスイッチ」の上に手を置いているのだから。







” m’s braque for MANHOLE “- 2 INTUCK SHORTS – [陶芸柄]は6月24日(金)から発売致します。
オンラインストアへは同日正午掲載予定です。


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鶴田 啓

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