スエードの三種盛り
昨日の引き続き、F.LLI Giacomettiの話を。
今回の入荷分は三型すべてがスエード素材。なぜ、すべてスエード?という。このあたりの「固め打ち」感も、河上っぽい。
こんにちは、鶴田です。
まずはオーセンティックなシングルモンクストラップ、FG498。木型は スリッポン設計ラスト: ROSSA。 製法はハンドソーンウェルテッド。甲革にはチャールズ・F・ステッド社のスーパーバックを使用。 って、実はこれ、2年前にもMANHOLEで提案していた同品の追加。
なぜ追加したのか、河上に聞いてみたところ「自分で買ってみて、履きやすいからスニーカー感覚で雑に履いていたらボロボロになってきたので、オールソール交換してもいいんですけど、だったら新しいの欲しいなと思って追加しました」と言っていた。言っていた、というか「僕がそう言ってたってブログで書いてください」と言われたので、今、書いている。誤解が無いように言っておくと、 F.LLI Giacomettiの靴は2年でダメになるほどヘタレな代物ではない。多分、河上の履き方が、僕らが想像する「雑」の範疇を大きく超えて「スーパー・ウルトラ・グレート・ダイナマイト・テラ・めちゃ・エクセレント・ファンタジック・レボリューショナリー・雑( FG498を履いたまま正座してこたつで雑煮を食う、とか)」なだけだと思うものご心配なく。
これを雑に翻訳すると「履き潰しちゃったけど、まだまだ履きたい」ということ。よーするに、気に入ってんだね、河上。
確かに、カッコいい。黒スエードのシングルモンク、と言えば「フレンチトラッド」なんて懐かしワードで括られることもあるけれど、そういう言葉はあまり気にしないで、自由にカッコよく履いてほしい。
モンクストラップとローファーをミックスしたようなルックスのFG461。木型はスリッポン用のラスト:JONATHANなので、実際にストラップを着脱しなくても靴ベラを使ってスリップ・オンで履くことが出来る。スクエアな爪先と立体感のあるハンドモカが、古き良き時代のイタリア靴を彷彿とさせる。こちらも甲革はスーパーバック。ちなみにスーパーバックとは英国のチャールズ・F・ステッド社が提供するスエード素材の名称で、一般的なスエードに比べて毛足が短くキメが細かい。順目・逆目がないのでブラッシングを念入りにしなくてもクリーンな表情が安定して見える。あと、白っぽく退色しづらい。
「LODEN」と呼ばれるこの色は、その名の通りローデンクロスのように渋いグリーン。カラースエード、確かに新鮮かも。個人的には1990年代半ばにHUSH PUPPIESなどで見られたようなカラフルな色バリのローファーを思い出してしまう。
過去に黒スエードや象革バージョンも取り扱ってきたFG417はもはやMANHOLEではおなじみの形。 ボロネーゼ製法で作られた、ヒールカウンターのないスリッポン。 今回はサンドベージュの銀付きスエードバージョンが入荷してきた。これも90年代色だな~。
踵にしか継ぎ目のないホールカットのアッパーが足をぐるりと包み込んでくれる。ボロネーゼ製法で返りの良いソール。トップラインが高いおかげでベロ部分が甲をしっかり押さえてくれる。ヒールカウンターがないので収まりが良い。着脱も楽。つまり、抜群に履きやすいってこと。これも、MANHOLEのお客さんにはお馴染みの事実。ご存じない方は、履き方を含めて店頭にてご説明いたします。
お馴染みの形だが、このサンドベージュは劇的に見え方を変えてくれる色。どことなくアメリカっぽいラフな印象。スーパーバックのフラットな表面感に対して、銀付きスエードの毛足が少しワイルドな質感なので、ラフに履いて汚しながら楽しむのもいいと思う。
ということで、MANHOLE特製・スエード三種の盛り合わせ。
それぞれ味も食感も香りも異なるバラエティ。当店自慢のシェフ長・河上が腕によりをかけて厳選した一皿をご用意して、皆様の着席をお待ちしております。
※適正サイズをご案内するため、MANHOLEではレザーシューズの通信販売を受け付けておりません。フィッティングに関しては是非店頭にてお試しの上、ご確認ください。
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