虎穴に入らずんば虎子を得ず
そういえば、2022年は寅年ですね。
そういえば、むかしジム・ジャームッシュの映画で午年ってのがありましたね。
こんにちは、午年生まれの鶴田です。
寅年に虎柄のシャツを着た河上。
m’s braqueからご機嫌な柄のプリントシャツが届いた。
遠目には「シルクかな?」と思わせるポリエステル100%のオープンカラーシャツの中で虎がうろうろしている。
ライオンが生息しない東洋においては「百獣の王」と称される、虎。「 龍虎相搏つ(りゅうこあいうつ) 」という言葉の通りドラゴンに並ぶほどの力を持つ存在としての、虎。中国では玄武(げんぶ)、青竜(せいりゅう)、朱雀(すざく) に並び「白虎(びゃっこ)」として四神のひとつにも数えられている、虎。
将軍・足利義満が一休さんに「屏風の中にいる虎を縛り上げてみせよ」と無茶振りした、虎。アニメで見る限り、屏風の虎は竹林の中に潜んでいる図柄だったりして、やっぱり虎はどこか東洋的(中国的)なシンボルでもある。
「虎柄の開襟シャツ」と聞けば、なんとなく昔ながらのヤンキー/不良文化イメージに引っ張られがちだけど。そんな先入観に囚われ過ぎてはいけない。ヤンキーがアメリカンスタイルをルーツに持つのだとしたら、m’s braqueのこのシャツは何故だかもっと上品なものに見える。
カフスの形状や袖口のギャザー。細かい運針。
オープンカラーだけど、後ろ台襟が付いて高さが出るのでちょっとだけ上品な印象に。デザイナーがパリ在住だということを無理やりこじつけるつもりはないけれど、このシャツからはヨーロッパ趣味を感じる。ストライプのウールパンツに合わせた河上がしっくり見えたのも、そのせいだろう。
ということで、僕はテーラードジャケットのインナーに虎を入れてみた。
やはり、このシャツからは上品なヨーロッパテイストを感じる。それはアメリカ文化と言うよりも、むしろパリ貴族へ伝搬した中国趣味と言う名の「シノワズリ」。貪欲な美意識。高い芸術性。つまりフランス趣味。きのう中台が紹介していたココ・シャネル的な疑似パールネックレスを含めて、今シーズンのm’s braqueからはいつも以上にフランス趣味を感じた、半年前の展示会。
そうそう、このシャツもツイードジャケットのインナーとかに合わせたら可愛いだろうなー。と思いながら、自分自身が欲しくてオーダーしたんだった。
一休さんに縛り上げられるまでもなく、既にジャケットの中で疑似パールに絡めとられてしまっている虎、虎、虎。
将軍様に「鶴田、一休の代わりにジャケットの中の虎を表に出してみせろ」と言われてもホントは出したくない、鶴田。だって気に入っているから。人に渡したくない。自分が一番欲しい。着たい。でも、そんなことを言っていたらMANHOLEが潰れてしまうので、お客さんが言うのなら仕方ない。是非、喜んで、販売させていただきたいと思います。
巷では「入りづらい店」みたいなことを言われているらしい?MANHOLEですが、そんなことはありません。どっちみち、虎穴に入らずんば虎子を得ず。ですな。
お待ちしております。
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鶴田 啓
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