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只、そこにある服



突然ですが、これは何に見えますか?



はい、膝丈のスカートですね。

穿いているのは僕です。OLさんではありません。僕です、鶴田です。


” CLASS “
– CCCA03UNI B –
GREY CHECK
¥57,200-(tax included)




CLASSから届いた「CCCA03UNI B」。こうして単品で吊るして見ても、やっぱり膝丈の台形スカートにしか思えない。 素材はサラリとした3シーズン向けのスーツ生地、という感じ。

ところが、この台形スカート。

くるっと反転させてみると、



後ろ身にはちゃんと股が付いていて、これならバミューダショーツに見える。



ウエスト部分のボタンをはずしていくとショーツ本体が現れてくる。

つまり「CCCA03UNI B」 は一般的に分かりやすくマイルドに言うと「フロントにエプロンが付いたバミューダショーツ」ってことになる。でも、この言い方はなんだか「遠まわしで遠慮気味」な言葉に思える。

その根底には「メンズがスカートなんて気持ち悪いでしょ」という既成概念があるんじゃなかろうか。

一方で、スコットランドの男性が身に着ける伝統衣装には「キルト」があるし、日本古来の着物には「浴衣(ゆかた)」がある。「ズボンを着用せずに、下半身を布で巻いただけ」というアイテムそのものは古来より男性用の衣服の一要素として存在するにもかかわらず、なぜだか「一般的には許されない」というムードが根強い。

ともかく、この「フロントにエプロンが付いたバミューダショーツ」 もとい、「スカートのような何か」を僕と中台で穿いてみた。



前から見るとスカート、後ろから見るとバミューダショーツ、エプロンをはずすとバミューダショーツ。その印象は変わらないのだけれど、自信たっぷりで身に着ける中台の様子からは「メンズがスカートなんて気持ち悪いでしょ」 なんてムードが一ミリも感じられない。

鶴田も負けじと穿いてみた。



やはり同じ。「別に何か?」というフツーな顔をして着るだけ。



ちなみに、左腰の部分に取り付けられたエプロン状のものを後ろ側から回してボタンで留めれば「前から見るとショーツ、後ろから見ると台形スカート」というアイテムに前後の見え方が逆転する。

半年前にCLASSの展示会を訪れた際、僕がこのアイテムを試着しながら「堀切さん、これって後ろ側から回して着ることもできるんですね」と何気なく尋ねたところ、当の堀切さんは「あっ、本当だ。それは全然思いついてなかったです~」と嬉しそうに言っていた。デザイナー自身に、そのような意図はなかったのだ。

このことは、CLASSについて考える上では決定的なことのように僕には思えた。

「堀切さんはジェンダーレスとか多様性とか、そういった社会的な何かを表現するために洋服を作っている」わけでも「スカート的なものを男性がそのまま穿く行為はまだ時代的にも刺激が強いので、可変式のエプロンを取り付けたバミューダショーツタイプにすることでソフトに表現した」わけでもない。このアイテム及び、CLASSのコレクションには 「遠まわしで遠慮気味」な表現は微塵も含まれておらず、只、そこにあるものとして、デザインされているということ。

「こういう風に着てほしい」というメッセージ・要望よりも「こういう服を作りたいから作りました。意味はありません。あとはお好きにどうぞ」という快楽主義者にも似た雑食性こそが、デザイナーとしての堀切さんが持つ最大のオリジナリティである。

それが「バミューダショーツ」だろうと「膝丈スカート」だろうと「変形キルト」だろうと関係ない。人がそう思えばそうだろうし、思わなければそうではない。

という極めて簡潔な態度が「あっ、本当だ。それは全然思いついてなかったです~」 という言葉にすべて集約されているように思う。



というわけで、CLASSの「CCCA03UNI B」は「バミューダショーツ」でもなく「膝丈スカート」でもなく「変形キルト」でもなく、そこに只「CCCA03UNI B」としてのみ存在する。

洋服を感覚的にキャッチする瞬間。すべてのエクスキューズはどこかへ飛び去り、ただ鏡の前にひとりで立つ自分だけがいる。

そこに映る姿がショーツ姿だろうとスカート姿だろうと、それはもはや大した問題ではないような気がする。その先の景色にこそ、本来の意味での多様性が映りこんでいるのだろう。







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鶴田 啓

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