恒久的なタンクトップ
昨日、タンクトップが383枚届きました。
現在、MANHOLEには(文字通り)唸るような量のタンクトップがあります。
25年近く洋服屋を続けてきた僕ですが、これまでの半生で僕が売ってきたタンクトップの総量を軽く超えるような量が、いま目の前にあります。そもそも、僕は言うほどタンクトップを取り扱ってこなかったけど。
こんにちは、鶴田です。
定番的なWHITEやBLACKに加えTAUPE、GREEN、RED。全部で5色展開。
まずはWHITEとBLACKから入った人でも、一度気に入ったら楽しんでリピート買いをしてもらえるようなカラーバリエーション。
一見するとベーシックな形のタンクトップだけど、肩の幅や前下がり、ボディバランスが絶妙に調整されていて抜群に良い。加えて、CLASSオリジナルの針抜きメッシュ生地が最高にコンフォート。以前に作られていたこの生地をMANHOLEのためにアップデートして作ってもらった。
でも、メッシュのタンクトップって、夏物?そろそろ気温が下がり始めようかというこの時期に?
たしかに涼しいし乾きやすいコンフォートな夏アイテムでもあるんだけど、河上も書いていたように「タンクトップに困ったら、いつでもMANHOLEに行けばいい」という消耗品アイテムにしたかったのでこの量でオーダーしている。
のが、ひとつ。
そしてもうひとつ。
今日、出勤したままの姿、鶴田。
ベスト代わりにタンクトップ(と肩当て)をオン。
タンクトップ(RED)の上に色違いのタンクトップ(TAUPE)をオン。
タンクトップの上にブルゾンをオン。
これはもう、10月でも通用する装い。
そう、僕らはタンクトップを盛夏アイテムだとは必ずしも思っていない。それがもう一つの理由。一年中、タンクトップを取り扱っていたいのだ。
勿論、イレギュラーレイヤードだけが手段ではない。
中台の様に、上着を一枚普通に羽織ればいい。
タンクトップの上に羽織ることが出来るものは無限にある。スウェットでもいいし、ウルトラスエードでもいい。デニムでもいい。上質素材の肌触りを存分に楽しみたい人ならタンクトップの上からカシミアのタートルを重ねたっていいわけだ。
そういえば、僕は20年ほど前に英国の某有名アンダーウェアメーカーのメッシュタンクトップを着ていた。白と黒を持っていた。しかし、すぐに着なくなってしまった。生地は悪くなかったけれど、身幅が広くて着丈が短かったのだ。タンクトップの裾をパンツインしても、動くたびに背中側がすぐはみ出してしまう。結局のところ、生地が伸びやすかったり、バランスが悪かったり、人目を忍んで着なければならないくらい見栄えが悪かったり…何か気に食わないところがあると途端に着なくなってしまう。
消耗品とは何も考えず日常の中で消耗したいアイテムのことなので、自分の好みにうまくフィットしないと煩わしいものだ。下着や靴下などは、無条件にリピート買いしたいアイテムだからこそ、いつもそこにあって欲しい。
コーディネートのベースレイヤーとして圧倒的に均整の取れたCLASSのタンクトップ。少なくとも僕らにとって、このタンクトップは恒久的に着ることが出来るリアルクロージングである。その完成度故に、様々な着こなしを楽しむことが出来る余白に溢れている。肌に最も近い存在だからこそ肌から離して着ることもできるということは、極めて優れたベーシックウェアのみが持つ特権でもある。
言わば、白米のような存在。
定食屋に行ったらライスがあるように、洋服屋に行ったらタンクトップがある。そんなアイテムを目指してMANHOLEが用意したこの一着を、いろんな角度から味わってみてほしい。
そのまま食べてもおいしい白米がどんなおかずも受け止めてくれるように。
一枚で堂々と着られるタンクトップだからこそ、アヴァンギャルドな洋服もリアルな洋服も堂々と受け止めてくれる。
たしかにアヴァンギャルドなアイテムが(いい意味で)多いCLASS。しかし、CLASSがCLASSたる所以は、そのデザインの礎にベーシックがあるからだと思う。
「恒久的な服をアヴァンギャルドに、アヴァンギャルドな服をリアルクロージングに」
これはCLASSのブランドコンセプトとしてよく知られている言葉だが、「本当の意味でアヴァンギャルドを目指す者は、恒久的な服をリアルクロージングに落とし込むことが出来る者だけである」という矜持に満ち溢れているように、僕には感じられる。
だからこそ、つまり、このタンクトップは文句無しの消耗品なのだ。
オンラインストアにも掲載してあるので、気に入った方はいつでも便利にどうぞ。
個人的には10年後も着ていたい。
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鶴田 啓
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