この靴を履いてどこへ
今シーズン、昨日鶴田さんが紹介したFG600の対のモデルとしてキルト付きのブローグモンクストラップシューズ:FG462を用意した。
英国のクラブシューズとして生まれた(とされる)この靴は「英国由来のクラシックシューズ」としてのディテールを変えずにF.LLI Giacomettiの工房で作られ今、MANHOLEに並んでいる。
さて、このキルト付きのフルブローグモンクストラップシューズを素直に履くとすれば(例えば)ハンチング帽をかぶりノーフォークジャケットを羽織りタイドアップしてニッカボッカーズに膝上のソックスを履いてゴルフに行く必要がある。
ただ、そう用いるのであればこの靴の色は茶であるのが自然だ。
でも、僕らはハンチング帽をかぶりノーフォークジャケットを羽織りタイドアップしてニッカボッカーズに膝上のソックスを履いてゴルフに行く為にこの靴をオーダーしたのではなく東京の街でカジュアルに履くために、黒のスコッチグレインでオーダーした。
王族や貴族などの特権階級がいない、綺麗に整備された場所と場末の居酒屋が道を挟んで隣り合う混沌としたこの街を背景にすれば、この靴をカジュアルに履きこなせると感じたからだ。
「様式美としてのクラシック」という道が残されていないクラシックシューズ。
最早何者でもないので合わせ方もない。
スポーティなディテールだけが残された、ただのドレスシューズ。
ナイロン/スウェット/ジャージ/デニム/フランネル/ツイード等のスポーティな素材合わせから、レギンス/ショーツ/5ポケットパンツ/リブパンツ等のスポーティな洋服など。
現代的にカジュアルな洋服であれば、この靴を合わせるイメージは次々と湧いてくるはずだ。
幸いなことに、東京はシティでもカントリーでもない。
何を履くかではなく、誰がどう履くか。
用途の限られたクラシックシューズ、この場所であればその「どう履くか」をより強く楽しめるのではないだろうか。
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河上 尚哉
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