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デニム、ふたたび。



今日は珍しく?デニムパンツを穿いています。
最近ではよほど気分が乗らないとデニムを穿かなくなってしまいましたが、僕にとってファッションの入り口は間違いなくデニムパンツでした。

こんにちは、鶴田です。



かなり大ぶりな作り、デニムパンツがそもそも屈強な男たちの作業着だったことを思い出させてくれるタフなシルエット。シルエットもそうだけど、インド藍を使用した13.8ozの生地やタックボタン/リベットなどの金具使い、デザインそのものも1940年代くらいまでの古い作業着をモチーフにしているのが伝わる迫力。

先シーズンも好評だったNICENESSのデニムパンツ「JOSEPH」が再び入荷した。河上が冬場に「超カッコいいデニム」と紹介していたモデルだ。僕もこの「超カッコいいデニム」を1月に買ったけど、やっぱり超カッコよかった。



僕がアメリカ製のジーンズをファッションアイテムと意識して初めて買ったのは10歳の頃だったと思う。ヒップポケットを飾るLevi’sのアーキュエットステッチが誇らしくて、友達の前でも得意げだった気がする。

その後、中学生になってからも近所のジーンズショップに通っては季刊発行されるLevi’s Bookという無料配布カタログを入手し、ロットナンバーごとの特徴やそのヒストリーについて夢中になって読み耽っていた。 それが1990年代前半の話。その当時に記憶したほとんどすべては、今となっては何も覚えていないくらい定かではないけれど、漠然とした輪郭だけは残っている。

それから今に至るまで、なんとなく気分の波が寄せては返しながらも(Levi’sを中心に) アメリカ製のジーンズを累計で30本くらいは穿いたかもしれない。高校生の途中からヨーロッパファッションに目覚めたせいだろう、洋服屋としてその数は決して多くない。

いつしか、僕にとってジーンズは「ものすごく気分が乗れば穿くけど、その気分にはとても間の空いた広い周期が作用していて、日常的にはほとんど穿かないズボン」になっていた。あんなに大好きだったのに、ここ数年で僕の周期に食い込んできたジーンズは3年以上前にCLASSからリリースされた鬼のようなベルボトムだけだった。



NICENESS「JOSEPH」には古き良き時代のデニムパンツが搭載していたディテールの数々が搭載されている。が、こんなモデルは19世紀からのモデルまで歴史を遡っていたLevi’s Bookに乗っていなかった。それもそのはず、このパンツは「ジーンズ」という新しい呼び名が定着するよりももっと前、まだアメリカで「オーバーオールズ」と呼ばれていた頃の古いデニムパンツと、1940年代に英国の消防士が穿いていた作業ズボンを組み合わせたようなモデルだから。


” NICENESS “
– JOSEPH –
[ FIREMAN DENIM TROUSERS ]
Size : S/ M/ L
¥64,900- (tax included)



基本的にはデニムのトラウザーズ。そこに古いアメリカのエッセンスをまぶしたようなこのパンツは、間延びしていたはずの僕のデニムパンツ周期に突然割って入ってきた。



深い股上、たっぷりとしたヒップ寸をバックシンチでギュッと絞って穿くクラシックスタイルのトラウザーズ。特徴的なステッチワークからファイヤーマン用のズボンだと分かる人にはピンとくるかもしれないが、サスペンダーボタンや打ち抜きのリベットは、やはりオールドスタイルのジーンズを思わせる。



先シーズンの同モデル入荷時に河上も書いていたが、僕らはヴィンテージに関する蘊蓄やストーリーに過剰な憧れをほとんど持っていない。特定の時代に作られたマスターピースのようなワークウェア、軍ものが時代と共に如何にもてはやされるようになろうとも、他人が設定した市場価値に安心感のあぐらをかくことが無い。勿論、そういった洋服には年季なりの貫禄やオリジナルであるが故の迫力が乗っかってくることは分かっているけれど。

根本的に、すべての洋服には自分が着たいタイミングと着たくないタイミングがある。



そんな僕らにとって、このデニムパンツは「今、穿きたい」と思わせる不思議な力でもって迫ってきた。だからこそ、河上は仕入れてきたし、僕と中台はこのパンツを買って、穿いている。NICENESSがファッションブランドである所以は、ヴィンテージのディテールをうまく編集してデザインに落とし込んでいるからではなく、こういったバランスのパンツを2022年というタイミングでリリースしているという点にこそ感じられる。

ヴィンテージかぶれの目を真っ新にして、いま一度向き合ってみると面白い展開に繋がりそうな予感がする超カッコいいデニムが、今ふたたび。











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