足元にマスク
仮面には不思議な魔力がある。
パリのケ・ブランリー美術館や大阪の国立民族学博物館にずらりと並ぶアフリカのマスク群をご覧になったことのある方ならその魔力についてピンとくることだろうし、そうでなくとも僕らの日常にはマスク的なものが溢れている。
こんにちは、鶴田です。
僕が子供の頃に放映されていた番組で梶原一騎・辻なおき原作の 「タイガーマスク」というプロレスアニメ作品があった。オリジナルは1969年~1971年の放映らしいので、僕が見ていたのは再放送だったのだろう。
孤児院「ちびっ子ハウス」で育った主人公の伊達直人は、悪役レスラー養成組織「虎の穴」にスカウトされ、虎のマスクを被ったプロレスラー=タイガーマスクとなった。自らの古巣である「ちびっ子ハウス」の経営難を知った伊達直人は正体を隠したままで、ファイトマネーやプレゼントを贈り孤児院を支援するために戦い続ける、というストーリー。元々悪役レスラーだったタイガーマスクは、あることをきっかけにクリーンファイトに目覚め、その後は正統派レスラーとして戦うことになる。結果として「虎の穴」からの刺客が次々とタイガーマスクを狙うようになるのだが、 物語の後半で「虎の穴」を支配する幻の三人のタイガー(ビッグタイガー、キングタイガー、ブラックタイガー)が登場したときは子供心ながらに震えた気がする。
悪役のマスクマンが現れる瞬間って、なぜあんなにカッコいいのだろう。
この辺りの展開はその後、同じプロレス漫画の「キン肉マン」にも引き継がれていった気がする。王位争奪編で、僕の推しはキン肉マンソルジャーだった。
「PARADOX」と名付けられたBLOHMのサンダルは明日、2022年9月8日(木)発売。
仮面には力がある。
それは、きっと素顔の自分では発揮できない力。
伊達直人は「ちびっ子ハウス」を慰問に訪れるとき、自らの正体がタイガーマスクだとバレないようにわざと運動音痴の如く振舞った。これも仮面の一種。キン肉マンに登場した運命の5王子のひとり、キン肉マンソルジャーはマスクを利用して本物と入れ替わった。これも弟の為という仮面。
他の誰かのために仮面をかぶるとき、人は素顔の自分では発揮できない力を手に入れる。
「PARADOX」とは「見かけ上で判断される真偽が、実際の真偽とは反対である」ことを意味する。
そういえば、2010年から全国各地の児童養護施設に「伊達直人」と仮名を使う匿名希望者からの寄付行為が相次ぎ「タイガーマスク運動」「タイガーマスク現象」と呼ばれていた。この行動そのものには「偽善」とか「ありがた迷惑」などの賛否両論が起こっていたが。
いずれにしても人は古来より「仮面」の力を借りてきたし、場合によっては「隠すことで本質を見せようとしてきた」のかもしれない。
ということで、足元にマスク。
いかがでしょうか。
え、顔にじゃなくて?という。
※ BLOHM〈 BL-39 / PARADOX SLIDE 〉は9月8日(木)12:00より店頭にて販売いたします。
鶴田 啓
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