ミリタリーパンツが好き
僕はポケットがたくさん付いたアイテムが好き。フィッシングやハンティング由来のアイテムを(あくまでもファッション用として)ちょこちょこ買ってしまうのも、そのあたりに理由がありそうだ。裏を返せば、カバン嫌いということでもあるんだけど…。
こんにちは、鶴田です。
ミリタリー由来のもの、中でも軍パンが好きだ。昔ほど頻繁には穿かないが、今でもたまにコーディネートすると気分がいい。たくさん付いたポケットは実際に使う場合と使わない場合があるけれど、というよりも、たぶんビジュアル的にジップやポケットがたくさん取り付けられた洋服が好きなんだと思う。
RAFのベンタイルオーバーパンツとUSAFのフライトパンツを掛け合わせ、NICENESS流に独自解釈したミリタリーパンツ・BILL。 一応「オーバーパンツ」となっているけれど普通の軍パンのつもりで穿いてもらっていいと思う。張りのある力強い生地、多数のジップ&ポケットが迫力満点。共生地のベルトも付属している。
前面はポケット使いのオンパレード。ヒップ周りは比較的すっきりとした印象だけど、ふくらはぎの下部分には開閉することでシルエットを調整可能なジップやサイドポケットが取り付けられていて、やっぱり力強い。
Gジャンにレザーシューズ。最近の河上スタイルもボトムスがミリタリーパンツに代わるだけで印象が変わる。コンパクトなトップスと迫力のあるミリタリーパンツとのバランスが小気味いい。
日本で初めて軍服生地正規生産工場に認定された工場へ依頼したらしいエジプトのギザ綿100%素材はベンタイルさながらの高密度。生地に張りがあるので、吊るした状態だとズドンと太く見えるシルエットも実際に穿くと筒状の立体的なものに変わる。
前・横・後ろ。どこから見ても男っぽいけど、後ろ姿は特にカッコいいなぁ。ヒップが意外とコンパクトだからかも。
タンクトップにテーラードジャケット。これもいつもの河上スタイルだけど、今日は5ポケットやスラックスの代わりに軍パン。いいね、新鮮。
僕もある意味でいつも通りのジャケット+GUIDIというスタイル。 シルク×リネンツイードやベジタブルタンニングのブーツなど、多様な素材感を軍パンがどっしりと受け止めている。
ちょっとロマンティックな色・柄・小物と合わせてみるのも面白い。
ちなみに、よく見るとこのパンツ、色がツートーンカラーになっている。ベージュがかった全体の中で、経糸は同じままで緯糸の色を微妙に変えた2色使い。黄色っぽいイエローベージュ×緑っぽいオリーブベージュの配色でヒップやポケット周りに陰影をつけている。一瞬「経年変化で色焼けしてる?」と思うくらいの自然さで、微妙にトーンが変化している。
また、極限まで糸の打ち込み本数を増加させたこの生地は水に浸ると繊維が膨張し、水を通さなくする防水機能を発揮するという。まさに水も漏らさぬような完成度。
ダイナミックで迫力のあるパンツの中に、こういった芸の細かさを盛り込んでくるあたりは実にNICENESSらしい感性。繊細かつ大胆に、ということか。
前後左右、どこから見ても。
遠くで見ても、近くで見ても。
全体を見ても、部分を見ても。
そして、実際に穿いてみても。
まったくスキのないミリタリーパンツ、BILL。
絶妙なミックス感。
ミルスペックを凌駕する本物感。
それくらい、よくできている。
だからといって、それは杓子定規にコーディネートしなければならないという意味ではない。
ノルマンディー上陸作戦のような緻密さは全く必要ではなく、僕らがぶらりと無策でぶち当たった時にこそ受け止めてくれる懐の深さがこのパンツにはある。完成度が高いアイテムであればあるほど、僕らは自らの感性を試し、バランス感覚を信じ、それらを実行に移すためのチャンスに恵まれたと思って喜ぶべきなのだ。
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鶴田 啓
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