笑顔のつづき
昨日、中台が紹介していたNICENESSのバラクラバ。
(役に立つとか立たないとかの)理屈ではなく、感覚的に洋服を身に着けると笑顔になる、昨日の中台はそう言っていた。それはたしかに、遠い昔からファッションが永続的に有する力のひとつ。そして、バラクラバと同じ生地で作られたアイテムを今日は紹介したいと思います。
それはいわば、笑顔のつづき。
こんにちは、鶴田です。

モヘア44%、コットン35%、ナイロン21%で構成された迫力のるカモフラージュ柄。ド迫力なのは生地だけじゃない。

Mサイズで130㎝もあるマキシマムな着丈。へアリーなカモフラージュがこの面積で襲い掛かってくる、ド迫力。

表面感や柄はさておき、コートとしては中肉の生地。形は浅いVゾーンのカラーレスで、ボタン留め、ポケット付き。いわゆるライナーコート的なデザイン。

178㎝の鶴田が着てこのレングス。長い、と言えば長いけど、それがこのコートの特徴だから、実際に自分が買うならLサイズでもいいかも。


ライナーコート的なものは数年前からなんとなく巷でも流行っていたけれど、「アレら」は実際に軍モノのライナーに使われるようなナイロン系のキルティングコートだったので、僕はいまいち好きになれなかった。
一方でNICENESSのWHOLEはシャギーなモヘアの毛足が豊かな表面感を、グラフィカルなカモフラージュが視覚的なサイケデリック感を演出してくれるので「ライナー感」はほとんど感じられない。むしろ、フェイクファーのガウンを着ているような妖しさすらある。たっぷりとした着丈のおかげで、動くたびにふらふらと揺れる裾。エレガントだ。

一応、ライナー的な着こなしも試してみる。短丈ブルゾンのインナーにレイヤードすると、むしろレイヤーになっていない面積の方が多い。コートの2/3がはみ出してます。

力のある素材同士で組み合わせると尚更迫力が増す。笑っちゃう。
バラクラバと同じく、このコートもG.GREENとB.REDの2色展開。赤い方もやはり迫力満点。


というか?マキシ丈はどこへいった?
長い着丈がどこかへ飛んで消え、裾が膨らんだAラインのシルエットに。

折り返した裾をコートの内側に付いたボタンで留めると、レングスが2WAYになる仕様。40㎝以上も短くなる。


河上は裾を折り返したバージョンで着用。彼の場合は逆にコートの下から長いニットがはみ出している。これはこれで、きちんとカッコいい。


一番上に、ペラペラのコートを羽織ればライナーとしても機能する。長い・短い・長いという不規則なアンバランスが、やっぱり笑っちゃう。これもセオリーではなく感覚的なもの。
勿論、昨日紹介したバラクラバもセット可能。カラーレスのコートがフーデッドコートに早変わり。


なんて、色々な着方を紹介してきたけれど。
単に2WAY、3WAYが楽しいと言っているわけではない。
可変式のファッションアイテムなんて、世の中にはごまんとある。片面しか着ないリバーシブルブルゾン、取り外すことのないフード、どこかへ失くしてしまったデタッチャブルのパーツ…。
問題は、アイテムそのものの力。

” NICENESS “
– NOT –
Color : G.GREEN / B.RED
¥42,900- (Tax Included)
ひとりでは何もできない人が何人集まったところで結果は同じだろう。ひとりでも楽しめる人がそれぞれの特徴をお互いに加速させたり補い合ったりしあいながらうまくハマったとき、そこには自然と笑顔が生まれる。
NICENESSのこのコートは「フード(バラクラバ)が別売り」という時点で、コートにはコートの、フードにはフードの強さが個別に存在する。だからこそ、一緒に着ることや一緒に着ないことを、それぞれに楽しめるのだと思う。

“ NICENESS ”
– WHOLE –
COLOR : G.GREEN / B.RED
SIZE : M / L
¥159,500- ( Tax Included )
セットのものがバラバラになったわけではなく、バラバラだったものが集まった。そんな感覚の延長線上にこそ自由があり、笑顔がある。そんなことを思わせてくれるNICENESSのコート。そして別売りのフード。
昨日、中台が書いていた。
「あれ、鶴田さんも笑ってる…?」
そう、昨日の僕は笑っていたし、今日の僕も笑っている。 理屈ではなく感覚で何かを得たとき、僕もまた思わず笑ってしまうのだ。
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鶴田 啓
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