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自由に着ればいいよね、という嘘。



昔から思っていることがあります。

「女性はいいなぁ」

今の時代です。あまりうかつなことは言えないような気もしますが、単純に女性が着ている衣服が羨ましかった。色も素材も形も、メンズに比べて圧倒的に多い。そんな単純な理由なんですけどね。

最近は権利や生き方なども含めて「ジェンダーレス」という言葉があちこちで叫ばれるようになっているけれど、衣服に関しては「女性が男性服を着る」ことよりも「男性が女性服を着る」ことの方が依然としてハードルが高いままのように感じます。

実際のところ、プールサイドにビキニを着たおじさんがいたらどうでしょうか。

こんにちは、鶴田です。



MANHOLEに、美しいレース素材のアイテムが届きました。



繊細だけど力強いフラワーモチーフのコットンレースを贅沢に使ったクラシカルなシャツ。背面ヨーク下に入ったインバーテッドプリーツや包みボタンなど、古典的なディテールもMANHOLEで見ると新鮮に感じる。


“ AAKU ”
LACE SHIRT
color : ECRU
¥79,200- ( tax included )



このブランドのコレクションは一年前から見ていたけれど、半年前の展示会で「これ、そろそろいいかもですね」と河上が言ったので「俺もそう思うよ、やってみよう!」と激しく同意した。たまにある展示会のマジックかと思いきや、実際に秋冬物が揃いつつある店内で見ても、やっぱり抜群に良い。



たっぷりとしたバランス、長い着丈、長めのカフスも緩いフィッティングなので窮屈さを感じさせない。河上のようにハイゲージニットの上からざっくりと着るのも良い。



透かし模様を布状にしたものの総称であるレース(Lace)は、紀元前1500年ごろからエジプトなどで盛んに作られていたらしい。僕らが漠然と抱く「クラシック」な印象もあながち間違いではないらしい。もはや、太古の昔じゃん。

同じクラシック素材のベルベットとは抜群に合うなぁ。

そして、もうひと型。



ヘンリーネックのプルオーバーシャツ。とても良い。センシティブなレース、肩周り・袖口に配されたコットン×リネンのヘリンボーンテープ、前立てのコットンツイルがエクリュ色の中で静かなコントラストを生み出している。


“ AAKU ”
LACE PULL-OVER
color : ECRU
¥75,900- ( tax included )



AAKUのレースは英国で9世代にわたり存続する世界最古のレースメーカー・CLUNY LACE社で作られたものらしい。ちなみに、現代においてレース素材は女性服の専売特許かのように思われているが、歴史を遡るまでもなく「(手作業で作られていたころの)レース=膨大な時間と技術を必要とする装飾」だったわけなので、男女の差よりもむしろ貧富の差を象徴するものだったはずだ。服飾関係の博物館や資料などでフランス王侯貴族の衣装に華やかなレースがふんだんにあしらわれているのを目にしたことがある方もいるだろう。

CHANELツイードを見て「男っぽい」と感じる人が今日ではほとんど存在しないように、「男っぽい」「女っぽい」の基準は(本来の歴史とは裏腹に)時代の中で無意識に湾曲・捏造・刷新されていくのかもしれない。つまり、アテになんないってこと。



庶民的な素材であるシェットランドウールのセーターにレース服を合わせてみた。なんともロマンチックな感じがする。

僕らは別にジェンダー論を振りかざしてどうこうとか、逆に「そんなん何にも考えずにノリで着ちゃえばいいっしょ」とか、そんなことを考えているわけではない。単純に、ファッションとしてやっているだけだ。そして、ファッションは必ず「現在」と密接に関係してくる。

この一年弱という時間の中で、河上の中ではテーラードアイテムやドレスウェア、あるいはダンディズムに対する気持ちが高まっていると感じる。それは重衣料に傾倒するという直接的な意味ではなく、イエスorノーがイージーすぎる流れに対してきちんと立ち止まって考えているのかもしれない。おそらくはそんな気分の高まりが僕との間に相互作用して「レースシャツ、やってみよう」と二人で盛り上がったのかもしれない。

揺れ動く時代の中で、自分自身のいまの気持ちに敏感であること。それこそがファッションだと思う。



他人に流された自由は欲しくはない。
反発だけを理由にした解放に意味はない。
無知をスルーしたノリなど要らない。

僕らは瞬間瞬間の気分を大事にしてはいるけれど、それは都合のいい言葉で投げっぱなす雑な行為ではなく、あくまでもファッションと真摯に向き合った結果の言動であるべきだと思う。ジェンダーレスを否定するのも肯定するもの無視するのも、まずは自分自身の本心が拠り所になってこそだろう。

今朝の河上は「やっぱりこのシャツ滅茶苦茶いいな」と言っていた。

そのあと、おじさん二人でレースシャツを着て、写真を撮りあって、「似合うね、河上~」「鶴田さんも、めちゃ似合ってます。最高です」とお互いを褒めながらイチャついた。そんな感じ、ファッション。

真剣にやってます。レースシャツ、是非どうぞ。



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鶴田 啓

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