どう見ても赤い蛇です
「河上、新しい木型作ったぞ。どうだ!」と、F.LLI Giacometti代理店の秋山さんに紹介されたのが新木型:GRIGIA。
英国のクラシックなシューズ工房の古いビスポークシューズに見られる特徴的なスタイルを見本にしたシューズ木型、それがGRIGIAだそうだ。
が、このシューズ木型:GRIGIAの見本となる「英国のクラシックなシューズ工房が作る古いビスポークシューズに見られる特徴的なスタイル」を僕は知らない。見たことがない。
なので、そんな僕にはF.LLI Giacomettiの新木型:GRIGIAを用いた靴は「ねじれ曲がったユニークなデザイン」に見えた。
親指から小指にかけて、ななめにカットされたオブリークトゥ。
そのトゥの形と合わせて、ハイアーチ、広い履き口を採用していることで捻じれ曲がって見える靴。
この木型であれば僕が普段F.LLI Giacomettiではオーダーしない、クラシックな革やクラシックなデザインを用いてもMANHOLEに上手く馴染んでくれるかもしれない。
な〜んてことを考えながらも。
生産の都合上、鶴田さんが紹介した「プレーンすぎる靴」が随分早く納品されたけれど、2022年秋冬用のオーダーで僕が一番最初に決めたのは、この甲革に赤蛇を用いたオブリークトゥのダブルモンクストラップシューズだった。
去年仕入れた赤い靴をMANHOLEのお客さんはすんなり受け入れてくれた。
何度か仕入れた蛇のドレスシューズもMANHOLEのお客さんはすんなり受け入れてくれた。
「次は何を用意したらお客さんは笑ってくれるのだろうか」と、考えながら向かった展示会で僕の目に真っ先に飛び込んできたのは、この赤い蛇革の小さな端切れだった。
と、いうわけで。
今度は赤い蛇の靴を作ってみました。
納品されて箱を開けた瞬間「自分たちは一体、何に挑戦しているんだろう」と思いました。
どう見ても赤い蛇です。
が、売り場に並べたらとても可愛く見えました。
赤い蛇の靴、いかがでしょうか。
洋服との合わせ方は一緒にお店で考えましょう。
いつも通りジャージやスウェットやデニムに頼っても良いですが、それ以外の選択肢があるような気がしています。
河上 尚哉
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