MANHOLEのニットポロ
こんにちは。
MANHOLEの河上です。
昨年に引き続き、仏:H社/C社、伊:D社など、数多くのトップメゾンのニット生産を現在も担う1974年創業、伊:ボローニャのファクトリーに協力してもらいMANHOLE企画のハイゲージニットを作ってもらいました。
ちなみに去年作ったモデルはモックネックニット。
先日鶴田さんが改めて紹介してくれたモデルです。
実は、僕がこの工場に最初にお願いしようと考えていたのはモックネックニットではなく長袖のニットポロでした。
が、その時点では工場の手も読めない。(メゾンの看板抜きでこの工場が作るウールのハイゲージニットを実際に見ていない)
更に、既存のオーセンティックなブランドが作るニットポロ以上の物を企画する為の答えが、当時の僕の中にはありませんでした。
加えてこの工場に仕事をお願いするための必要最低限である枚数:百数枚のハイプライスなニットポロをMANHOLEで売る自信も、当時の僕にはありませんでした。
なので、ある程度完成した形が見えやすいモックネックニットをまず企画することにしたのです。
結果的に、このモックネックニットは「仏:H社/C社、伊:D社など、数多くのトップメゾンのニット生産を現在も担う伊:ボローニャのファクトリー製」という、本当に良いのか悪いのかわからない非常に曖昧で無責任な情報を「この工場が作るハイゲージニットは確かにすごい」という、僕ら自身の具体的な体験に変えてくれました。
このクオリティを担保できるのであれば、次の企画に進んだ際に「これもどうですか」とお客さんに自信を持って勧めることが出来る。
加えて今は鶴田さんという心強い味方が、MANHOLEにいる。
更に52,800円で108枚という非常に重たい数字を、MANHOLEのお客さんは受け入れてくれた。
と、いうわけで今年形にしたのは28〜30ゲージ相当のしなやかな編地、上品な光沢と軽やかさを備えたウールのハイゲージニットポロ。
ポロシャツ、というかシャツの顔のほとんどは襟周りの印象で決まるような気がするので、そのバランスに特に時間をかけてみました。
発案から納品までとても長い時間がかかりましたが、その分納得のいく仕上がりになったと感じています。
今回のポロシャツを企画するにあたり3人の私物をかき集めて年代の古いものから新しいものまで改めて見てみました。
「鶴田さん、これのバランスは良いと思うんですけど、こっちだとちょっと違う気がするんです。サイズも年代も襟型も変わらないはずなのに何が違うんでしょうかね。」という僕の疑問に、鶴田さんはものすごく明確な答えを出してくれました。
「河上が良いと思っている方、ネックの寸法が大きくて襟下がりがついているように見える。だから襟先もネック寸があっているものよりも下に向かうし、着た時のバランスも河上や俺にとってよく見えるんだと思う」
年代の古いもの/新しいもので襟の形がそもそも違うのはもちろんそうなのですが、僕らが目指すバランスを形にするためには襟の形を当時のものに近づけるだけでは何かが足りないと感じていました。
そこで、今回の企画を進行する過程で試しに襟下がりを極端につけてみたところ、その「僕らが目指すバランス」に近づけることが出来たのです。
あとは各ディテールやサイズ感を指定して、工場の腕に委ねるだけ。
と言っても彼らはやはりイタリア人なので、僕らと工場の仲介役:SEKONDの吉田さんが今回も細かなクオリティコントロールを担ってくれました。
中台はサンプル完成時に「めちゃくちゃ良いじゃん!」と言っていました。
こうして今年も南青山のはずれのはずれ、外苑前にあるMANHOLEというお店には全くそぐわないメゾンクオリティの長袖のニットポロが並ぶことになりました。
普段こなす仕事量と比較すると圧倒的にスケールの小さな「100数枚如きの仕事、更に相手は日本の聞いたことのないお店」だろうと態度を崩さず普段通り作ってくれた工場の方々、それを実現する為に動いてくれた吉田さん、僕の疑問にいつだってパッと答えてくれる鶴田さん、いつも僕に「まあ、大丈夫だろ」と言う中台、そしてMANHOLEで楽しそうに買い物をしてくれるお客さまのおかげで形にすることが出来ました。
値段は全く可愛くないですが、満足しています。
発売は11月18日(金)予定。色は5色展開。
シンプルかつ渋い洋服、着る人それぞれが持つキャラクターの見せ所です。
可愛くも格好よくもセクシーにも、いかがでしょうか。
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河上 尚哉
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