MANHOLE企画のテーラードジャケット
先週の火曜日、以前から企画を進めていたMANHOLE企画のテーラードジャケットが届いた。
計24着。ストックがパンパンになりそうだったのでパッと値段を決めてすぐにお店に出すことにした。
一般的には「オリジナル商品」に区分されるこのジャケットではあるが、鶴田さんがデザインとディテールを決め、サヴィルロウのとあるビスポークテーラーで経験を積んだ杉本さんに既製のパターンを引いてもらい、そのパターンを東北岩手に工房を構える国内屈指のMTM工場へ持ち込み、広尾の有栖川公園脇にオーダーサロンを構えるLECTEURの五十嵐さんらによる細かなクオリティコントロールののち完成したのが「MANHOLE企画のテーラードジャケット」である。
全員がそれぞれの分野でプロとしての経験を積み、プロとして活躍しているメンバーだ。
この方達が何故、MANHOLEに協力してくれているのかは僕自身一番よくわかっていない。
だけど、このジャケットの発案から完成に至るまで、全員で楽しく真剣に企画を進めることが出来たのだけはわかる。
作りがどうこうやディテールがどうこう、デザインがどうこうはひとまず置いておいて、楽しく真剣に進めることの出来た仕事はお客さんに紹介する上での一つの自信となる。
ナチュラルショルダー、ノッチドラペル、サイドベンツ、3パッチポケット、軽い仕立ての段返りシングル3Bが1型2生地。
ロープドショルダー、浅いカマ底、ピークドラペル、サイドベンツ、Vゾーンの浅い構築的な仕立ての8BWが1型1生地。
現状、生地ネームどころかブランドタグすらも付属しない無名のジャケットではあるが、便宜上僕らはこれらのテーラードジャケットを「Gary」と名付けることにした。
Garyの製作を依頼したテーラード工場はサンプルサイズを試着し、それに合わせて裏地や釦や生地などを選ぶメイドトゥオーダー(MTO)はもちろん、あらかじめ採寸して細かなフィットを得られるメイドトゥメジャー(MTM)にも対応が出来る。
が、MANHOLEはテーラーではなくセレクトショップだ。
まずは僕らがシーズンごとに用意する吊るしのジャケットを楽しんでほしい。
背を抜いた段返りのシングル3Bはどんな生地でもハマる気がした為、割となんでも良かった。なのでシングルの生地選びは鶴田さんにお任せし、ダブルは通常ジャケット単体では使わないような生地を僕と鶴田さんで選んでみた。
さっき書いた通りシングルは割となんでもいい。
が、今回用意したチョークストライプの8BWのジャケットは、現行のデザイナーズブランドから本格靴、ドレスウェア、USEDやVINTAGEまで並ぶMANHOLEだからこそ出来る提案がある予感がして、ワクワクしている。
MANHOLEのテーラードジャケット、Gary。
この企画を進行する上で僕と鶴田さんが一番最初に決めたのは「本格的なテーラードに全く興味のない中台が着たいと思えるようなモノを、そして本格的なテーラードに全く興味のない中台が着続けてくれるようなモノを作ろう」という目標。
ノリに寄ったモノは、僕らが作らなくても誰かが作ってくれる。
質に寄ったモノも、僕らが作らなくても誰かが作ってくれる。
だとすれば、僕らはノリと質を両方併せ持ったモノの一つとして、このジャケットをお客さんに紹介したい。
※商品の特性上、通信販売等のお問い合わせにはご対応が出来ません。
何卒ご了承ください。
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河上 尚哉
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