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どこにだって行ける



ドレスアイテムに分類される洋服には「ドレッシー/スポーティ」という概念が付きまとう。それぞれのアイテムの出自に基づくTPOの考え方で、たとえばそのシューズとそのジャケットを一緒にコーディネートすることが「自然か、不自然か」という理論のベースになる。もちろん「どこでそれを着るのか」というオケージョンが大前提にはなるのだが。

こんにちは、鶴田です。



上の写真はF.LLI GiacomettiのFG602。スムースなブラックの甲革、内羽根式のキャップトゥというスタイル。おそらく、過去も含めてMANHOLEが取り扱ってきたレザーシューズの中で最も格式の高いドレスシューズ。 MANHOLEに限らず、メンズ靴の中でこのスタイルを超えるほどドレッシーなものは、オペラパンプスくらいしかないと思う。



英国のビスポーク靴を思わせる小ぶりなキャップ、端正なアウトサイドカーブを描くオブリークトゥ。上品な光沢を放つANILOU CALFの銀面。実に、エレガント。



ライニングにはダークグレーがセットしてあるので、履き口のわずかな隙間から覗く顔、脱いだ後の顔までもが完璧にドレッシーなスタイル。


” F.LLI Giacometti “
 - FG602 –
OXFORD SHOES [ANILOU NERO]
¥118,800-(tax included)



つまり、この一足があれば冠婚葬祭は勿論のこと、就職面接やビジネスまで網羅することができる。文字通り「どこにだって履いて行けるドレスシューズ」だ。

新郎になる予定がある方はモーニングコートにFG602を合わせて。
ヨーロッパでオペラ観劇の予定がある方はタキシードにFG602を合わせて。
役員の前で重要なプレゼンをするときはネイビースーツにFG602を合わせて。
弔事の予定はない方が勿論よいけれど、いざというときは喪服にもFG602。

という靴を、普段の中台が履いてみる。



FG602の端正な顔立ちがジャケット+デニムという日常スタイルをひとつ上のレベルまで持ち上げている。雑味のない本物のエレガンスがラフなコーディネートにピンポイントで作用しているのだろう。

鶴田はイブニング仕様のダークスーツに合わせて、素直に履いてみた。



勿論、合うに決まっている。端正でエレガントで、由緒正しい。その懐の深さがFG602の特徴だ。試しに、もうちょっとフザけてみよう。



同じスーツの上からフェイクファーを羽織ってみた。さすが、どこにだって行ける靴。これならレッドカーペットの上も歩けそうだ。

例えば内羽根→外羽根、黒→茶、表革→スエード、キャップトゥ→セミブローグ→フルブローグという矢印の向きでドレッシー→スポーティの順列が決まるとして。一方で、日本においてそこまで厳密なドレスコードが存在する場所は少ない。もはや冠婚葬祭にローファーで出かける人もいるだろうし、ブラックスーツにフルブローグの茶靴を履く人もいるだろう。さすがにビジネスシーンでオペラパンプスを履くほど変ちくりんな人はいないのだろうが、欧米からの借り物だった古典的なTPOは現代日本において既に形骸化している。

逆に言えば、フォーマルの高い敷居を超えるためだけに、ということならば「どこにだって行ける靴」=FG602は世の中にほとんど必要がないアイテムということになる。



それでも今、MANHOLEの店頭にはFG602が並んでいる。これまでに散々、クセモノ靴を取り扱ってきたからだろうか。いま、この靴は僕らをとても新鮮な気持ちにさせてくれる。単純に美しいのだ。



しかし、FG602が美しくドレッシーな靴だからといって、フォーマルなシーンのみで活躍するとは限らない。重要なのは、僕らにとってFG602のスタイルが「ブリタニカ国際大百科事典」の装丁と同じくらい格式高く、美しくエレガントに思えたということ。始まりはそれで十分だ。

いずれ、いくら検索しても出てこないことが百科事典の中から出てくることがあるように、美しいものは必ず僕らを助けてくれる。だからこそ、まずはこの靴の美しさを存分に感じてみよう。



どこにでも行けるからといって、どこにでも行く必要はない。まず、自分自身が行きたいところへこの靴を連れ出してみるといい。その道すがら、この上品な靴がデニムにもジャージにもボロスウェットにもツイードショーツにも似合うということを発見できれば、それが自分にとっての格式につながることだってあるのだから。


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