2022/04

働く男



” NICENESS “
– CURTIS –

Size : M / L
Color : Beige
¥138,600- (tax included)



NICENESSのジャケット「CURTIS」はコットン100%でありながら、驚くほど滑らかでしなやかな肌触り。細番手の綿糸を高密度で織り上げているので、上品な光沢すら感じる。昔の配達員が着ていたようなワークジャケットの佇まいでありながら、汗臭く粗野な雰囲気は皆無。

ワークウェア由来の上着をファッションとして着こなす場合、全体を男臭いアイテムでこってりまとめるラギッド方面と、あえてウールパンツやスカーフなどで綺麗に合わせるフレンチ方面とに大別できる。順手か逆手かの違いで、結局は「ワークウェアだから」というアイテムそのものの認識を起点にしていることに変わりはない。ミリタリーアイテムを着る場合にも、ほとんど同じことが言えると思う。

なーんて分析を読んで「ふんふん」と納得された方は、これまでにたくさんのアイテムを着てきた経験がある「服好き」の大人に違いない。

こんにちは、鶴田です。










上襟の菊穴、左胸のフラップ付きポケット、丸くくり抜いたレザーや丸カンが裏で取り付けられた力ボタンなど、ワークウェアらしい意匠がそこかしこに見えるのに、全体としてはやっぱり男臭くない。むしろ、可愛さすら感じさせる。







全体の印象を決定的に左右しているのは、やはり生地。綿100%の高密度クロス二枚を毛抜き合わせで縫合してあるので、柔らかだけどしなやかな質感。表地と裏地で微妙に色の調子を変えた(ベージュ×グレーベージュ)ダブルフェイスは揺れるたびに繊細な表情を覗かせている。とはいえ、それは決して「手間がかかってますよね」や「生地がすごいですよね」を目的としていない点で、いつも通りNICENESSのクリエイションだと言える。

つまり、生地を間近で見る前から既に表現されているということ。









冒頭に書いたようなコーディネート論でいくと、例えば強靭なツイル生地のワークジャケットをデニムパンツに合わせようものなら、いなたく野暮ったい雰囲気になることが多いけど「CURTIS」は違う。空気をふんわり含んだような軽さとしなやかさが、デニムパンツのコーディネートをタイドアップに耐えられるところまで持ち上げてくれる。







河上はいつも通りタンクトップ+カーディガン姿で「CURTIS」を羽織っているけれど、ゴワゴワ感が一切感じられないこのジャケットならば、男臭さよりもむしろ、毛抜き合わせのソフトな質感がラフなVゾーンに華を添えてくれている。

ホワイトのデニムパンツともよく似合っている。

「フランスのワークウェアブランド」とか「イタリアの作業用ジャケット」とか「イギリス鉄道員のユニフォーム」とか、ワークウェアを意識させる謳い文句は、世の中にいくらでもある。しかし、意識した瞬間から、ワークウェア着こなしのテンプレートにすっぽりとハマってしまいがちな人ほど試してみてほしい。

「CURTIS」を羽織った瞬間にまず意識が向くのは「ワークスタイルのジャケットである」なんてことよりも、そのしなやかさ、軽さ、ニュートラルな佇まい。「ジャケットを羽織っている」ということすら忘れさせてくれるような、自由度の高さ。







「CURTIS」を羽織った河上は、とても自由そうに働いている。いつもより身のこなしが軽い気がする。「CURTIS」の生地や着心地が軽いのは当たり前だけど、それよりも「ワークスタイルの着こなし、かくあるべし」的な概念に囚われない、精神的な身軽さが作用しているような気がする。



働く男のためのワークジャケット「CURTIS」。
身体の代わりに心を自在に働かせることができる、軽~いジャケット。







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鶴田 啓

〒107-0062
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半年前の展示会で見た洋服のことはほぼほぼ忘れている僕達。
当然何をどれくらい仕入れているのかも覚えていない。
唯一覚えているのは「なんかかっこいいのあったな。」という印象くらい。
その「なんか」がなんで、なんなのかは、実際にお店に届いた際に思い出す。

今日紹介するNICENESSのWILDEに至っては。
届いた時に「こんなのオーダーしたっけ。。。なんて特徴のない物を仕入れてしまったんだろうか。」と感じた。




前から見るとなんの変哲もない、ヨーロッパの野暮ったいプルオーバーシャツ。

よく見ると生地はドライで少しキラキラ光っている為、そういう意味では特徴があるのだろうけど。。。
「生地に特徴があります!」だけでは通用しない。
僕らは「特徴的な生地」に飽きているし、何よりMANHOLEのお客さんはそんなに甘くない。

肩の切り返しは確かに格好がいいけど、そういう部分的なデザインのみに魅力を感じることが出来るほど、僕らは大雑把ではないし、その手の繊細さも自分たちには感じない。

一体、半年前の僕らはこの洋服のどの点に良さを感じて仕入れることにしたんだろうか。





後ろを見て「なんで仕入れたか。」を思い出した。

この洋服は前面を見た時と後ろ面を見た時で印象が変わる洋服。
無骨なフロントスタイルに色気のあるバックスタイル。
その「印象が変わるポイント」は、後ろ面に付属するベルトが生み出している。




そう、この洋服はベルトが主役。
ベルトをどの位置に持ってくるか、どういうふうに使うかで印象がガラリと変わる。

ベルトってすげえ。
ベルト、最高!




と、かっこいいなと思うポイントを見つけることが出来たら、急にその洋服のことが好きになれる僕。

「こんなのオーダーしたっけ。。。なんて特徴のない物を仕入れてしまったんだろうか。」という最初の印象からぐるりと180度。
「こういう洋服が一番着るんだよなあ。」なんてことを感じて欲しくなるんだから、単純である。

M/Lのサイズ差はそこまで感じない、とりあえず大きく着ればいい。
ひと目でNICENESSだとわからない地味デザインも、僕にとっては好印象である。




どういう風に着ても、ちゃんとベルトの存在を感じる点が楽しい。

何かを重ねる際に活躍するのがコットン/シルク/リネンのドライなヘリンボーン生地。
のっぺりとしたウールギャバを合わせても、同じような厚みのジェルトデニムを合わせても、ちゃんと表情が出る。



作りが大きいのでコートの上にだって着ることが出来る。
なんの意味もないけど、ACRONYMの機能性をわざと殺すのは楽しい。
黒いプルオーバー、黒いプロシェル、黒いコーデュロイ、黒い靴。
全部違う黒。

中台は昨日のコートのBlogの中と外を変えただけ。
同じ洋服を着た場合でも、着る順番が変わると全然違う洋服。



” NICENESS ” – WILDE –
Size : M / L
Color : C.Grey / Piggy
¥59,400-(tax included)



40’sフランス軍のホスピタリティとして多く使用されたボージョンスモックをベースに、ブッチャーシャツと掛け合わせたデザインのNICENESS:WILDE。

既存の二つの洋服を掛け合わせて全く新しいプルオーバーを作るNICENESSのアイデアも素晴らしいし、綿/麻/絹の糸をそれぞれ先染めして織り上げたヘリンボーン生地も、見た目や手間をかけただけではない良さを感じる。




が、僕にとってこの洋服に魅力を感じる点はそこではない。
フロントスタイル/バッグスタイルから覚える印象の違い、WILDEがその意外性を楽しむことの出来る洋服であることだ。

半年前は「良いピンクだな。」と思っていたし納品時も「良いピンクだな。」と思ったけれど。
色々着て試してみた今は、黒に近いチャコールグレーの方がよく見える。

なんでもそうだけど、マイナスがプラスに変わる瞬間ほど楽しい時間は無い。
洋服の場合は着るだけでそれを味わえるのだから尚更簡単でいい。

想像通りのもの、既に欲しいもの、人気のあるものを選ぶことは誰にでも出来る。
僕らはNICENESSにそれ以外の何かを感じるからお店に並べているし、MANHOLEのお客さんにはこのブランドのそういった側面を楽しんで欲しいと思っている。



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河上 尚哉

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こんにちは、中台です。


FRANK LEDERから圧倒的な赤、届きました。

一言で「赤」と表現するには勿体無い、きれいな赤。
普段、東京の街中ではきっと見ることのできない赤。
自然の中に潜んでいそうな赤、都会の街で不自然に映えるイメージが浮かぶ。

パワーのある赤です。







迫力のあるシルエット、背中のインバーテッドプリーツが目を惹く、ヴィンテージベッドリネンシリーズのスタンドカラーコート。
仮にどんな色だとしても、ちゃんと雰囲気があってかっこいいコート。

実は昨年にも同型、色違いのコートを紹介しましたが、色が変わるだけで別物に感じる。







こんなに派手なシャツも赤に飲み込まれているし、何を合わせても大丈夫。
色の相性なんて考えなくていい。
きっと適当に着ていくうちに、自分のバランスが見つかります。









いつもの鶴田さんにも映える赤。
どんな洋服の上に被せても、ちゃんと存在感のある楽しいコート。
寒くなったら、さらに上から何かを羽織っても面白いかもしれない。

ここ最近は世間的にも色に対して寛容になってきているような気がする。
ワンポイントで〜、差し色に〜等の、言葉に惑わされず、思い切って色を楽しみましょう。



” FRANK LEDER “
– 60’s VINTAGE BEDSHEET STAND COLLAR COAT – 
¥140,800-(tax included)



このBLOGも赤に飲み込まれている…。









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中台 竜郎

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NICENESSが今シーズン、超かっこいいチノパンも作った。
デニムパンツに続きチノパン。
仮にずっとお店に並べていたとしても飽きないだろう、嫌いにならないだろう物。





現行の「こだわりのある良い生地の、良い作りのチノパン」に対してホンットにまっったく一切興味が無い、チノパンなんて古着で十分だと思っていた僕らにさえ刺さる。
その古着のかっこいいチノパンすらも超えた、超かっこいいナイスネスのチノパン。

何が超かっこいいか。
それをあえて説明するならば「穿くと超かっこいい」という、その一言に尽きる。
いや、このチノパンは穿かずとも、確かに物として格好がいい。
NICENESSのデザインチームが持つ美意識の塊、それを形にした物がこの超かっこいいチノパンツだ。
ただ、それを眺めているだけではこのチノパンがこのチノパンとして生まれた意味がない。
だからやはり、このチノパンの良さをあえて文字で、言葉で説明するならば「穿くと超かっこいい」という、その一言に尽きるのである。




超かっこいい部分:NICENESSの美意識の塊を紐解いて文字で説明することも出来るけど、ことチノパンやデニムに関しては特に。
かっこいい部分を頑張って文字にしてもキモいだけだから割愛。
穿いてみて欲しい。穿けばわかる。わからなければ僕らの力不足だ。買わなければいい。

本当に起こるかどうかもわからない。
起きたとしても、どう転ぶのかもわからない。
飽きて穿かなくなれば絶対に味わえない。
そんなあやふやな「経年変化」という言葉に頼る必要がない、NICENESSの超かっこいいチノパンツ。




最初から超かっこいいんだけど。
生地、ディテール、ステッチの色、形、全体のバランス。
気に入って穿いている内に、それらのどこかに自分なりの超かっこいいポイントを見つけることが出来るのも、このチノパンが超かっこいい理由の一つなのでは、ないでしょうか。




” NICENESS “
WEBB – [超かっこいいチノパン]

Size : S / M / L
Color : Beige / Black
¥68,200- (tax included)








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河上 尚哉

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ずっとそこにあったはずなのに、何故か見えなくなっていたもの。
身の回りに当たり前のように溢れているせいで、忘れてしまったもの。
特定のイメージが頭をよぎるせいで、視界から無意識に消しているもの。
あるいは、元々存在しなかったもの。

デザインというのは。
人間が「それ」を知覚するための今日を、認識した先の明日を楽しむための一つのきっかけなのかもしれない。

今日紹介するのはrenomaのレザーネックレス。
丸と三角と四角。

既に身の回りに存在している○△□と違い、このネックレスにはまだ、なんの意味も機能もない。





入荷してから約1ヶ月。
特にお客さんに勧めることなく、トルソーにかけたまま放置しているrenomaのレザーネックレス: Maupiti[○] / Makatea[△] / Tahaa[□]。
ちなみに、今後もこのレザーネックレスを僕らからお客さんへ積極的に勧めることは、きっと無い。

僕は、人から勧められたアクセサリーを身につけた試しがない。
普段の様子を見る限りでは、きっと鶴田さんも人から勧められたアクセサリーを身につけたことが無いはずだ。
中台に至っては、アクセサリーをつけている姿を見たことがない。

そう、僕らはこのレザーネックレスに対して「なんか良いなあ。」と感じたから仕入れただけで、別に特定の誰かに売りたいから仕入れたわけでも、ある特定の意味を感じるから/その意味を伝えたいからお店に並べているわけでもないのである。

と、いうわけで。
この○△□のネックレスは、「なんか良いな。」と思った人が「なんか良いな。」というタイミングで自ら手に取って「なんか良いな。」という瞬間に身につけるのが自然だと思う。





適当につけてみた。
中台は大きすぎるTシャツが産む寂しさを埋めるため。
僕ははだけた胸元を埋めるため。

2人とも普段ネックレスなんてつけないけど「良いじゃん。」と思っている。
あとはもし仮にこのネックレスを身につけて過ごす際、いつかどこかの誰かが僕らの何かに魅力を感じてもらえたらそれでいい。

例えば「特に意味はないんですけど、気に入ってつけてるんです〜。」という軽い言葉や雰囲気の中に宿る重みを感じたことはないだろうか。

僕はその重みこそが、その人自身の魅力なんだと思う。
僕らはMANHOLEのお客さんと共に、洋服や装飾品だけでなくそういった力を身につけていきたい。




既に身の回りに在ったネイビーブレザー。
見慣れたパジャマ。
記憶の中の真珠と貝殻。
過去にどこかで目にしたことのある形のバッグ。
そして、常に存在する○△□。

renomaの今回のコレクションは、そういう当たり前にあるもの/当たり前すぎて忘れ去られた物や、既に特定のイメージを持つ物に対して改めてフォーカスした内容だったように僕は思う。

全て、renomaでなくても良いもの。
だけど、僕らは今のrenomaを使ってその「当たり前」を改めて提案したい。

過去に生きた人間が作り出した物に付けられた意味、それが必ずしも今の僕らにとって正しいものとは限らない。
だからこそ、僕らは自分たちで既にあるものに新しい意味を見出すことが出来るはずだ。



” renoma “
– Makatea – [△] – Tahaa – [□] – Maupiti – [○]
¥20,900-(tax included)



ずっとそこにあったはずなのに、何故か見えなくなっていたもの。
身の回りに当たり前のように溢れているせいで、忘れてしまったもの。
特定のイメージが頭をよぎるせいで、視界から無意識に消しているもの。
あるいは、元々存在しなかったもの。

デザインというのは。
人間が「それ」を知覚するための今日を、認識した先の明日を楽しむための一つのきっかけなのだろう。

少なくとも僕は、この○△□を目にした時から日常に溢れる○△□が妙に目につくようになった。
何か新しい発見、何か新しい発想に辿り着く予感がして、わくわくしている。





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河上 尚哉

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