履きやすくて白い
白い靴といえば。
ある人たちにとってはWALK OVERのホワイトバックス。
ある人たちにとってはSPRING COURTのG1。
こんにちは、鶴田です。
この特徴的なフォルム、ディテール。驚くほど履きやすいことでお馴染み、 F.LLI Giacometti のFG417。まるでスリッパのように履いてしまう病みつきのフィッティングが好評で、MANHOLEでは素材を変えながら何度もオーダーしてきた靴。年明け早々に入荷したのは、そんなFG417の白スエードバージョン。純白というよりは、オフホワイトに近い色目。毛足があるホーススエードは、スーパーバックとも一味違う有機的な質感。
+チェックパンツのブレザールックに合わせても、靴紐や縫い目のない極プレーンなアッパーやボロネーゼ製法で取り付けられたシングルソールの華奢なフォルムのおかげで、アイビーリーガー御用達のホワイトシューズとは完全に似て非なるもの。
ヒールカウンターが無いため、踵のフィッティングは極めてソフト。ボロネーゼ製法ならではの軽快なソールの返り。テキトーに足を突っ込んで履いても、しっかりと歩行についてきてくれる。
河上は、最近お気に入りの白っぽいルックで。
ネイティブ柄のブランケット素材、レースシャツ、そしてピュアホワイトの5ポケットに合わせても、オフ白スエードのFG417が良い意味で実在感をキープしてくれる。ソールのライトブラウンが効いているせいもあるだろう。
不思議なリラックス感が漂う靴。
白い靴=「カッコつけた靴」
レザースリッポン=「カッコつけた靴」
華奢なつま先=「カッコつけた靴」
そんな先入観が吹き飛んでしまうくらい、この靴を履くと「気持ちよさそう」や「リラックスしている」といった真逆の印象が先に走り出してくる。
これまでにも僕らは繰り返し「白い靴は、ちょっと汚れて味が出たくらいがちょうどい」と言い続けてきたけれど、このFG417もやはり同じだと思う。わざわざ近所履きにするほど雑に扱わなくてもいいけれど、わざわざお洒落履き専用にするほど特別に扱わなくてもいい。
つまり、フツーに履いていれば大丈夫だということ。
値段がキャンバススニーカーの4~5倍だからといって躊躇する必要はない。白い靴をカッコよく履いてきた先人たちは、いつだって自然に履いていたからこそカッコよかったんだと思う。
特にFG417。こんなに楽ちんな靴を窮屈そうな顔をして履くなんて勿体ない。
白い靴を履くからカッコいいわけではない。
楽な靴はリラックスした表情で履く。汚れても平気だという顔をして。表情は自然と立ち振る舞いにも表れてくる。その段階になってはじめて「『カッコいい人』が『白い靴』を履いている」という順序で他人の中に残っていくのだろう。それは人と物の変わらぬ関係性であり、僕らがファッションを続けている理由でもある。
「履きやすさ」という機能性が肉体を超えて精神に作用する瞬間。
白いスエードのスリッポンシューズ、いかがですか?
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鶴田 啓
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