スペースハンター

NICENESSのスペースハンターブルゾン:ENNIS。
デタッチャブル仕様の袖とフード、更にリバーシブルという可変式ブルゾンです。
アメリカの探検家のために作られたサファリ/ハンティングブルゾンの世界観に1980年代〜1990年代のオールドスポーツスタイルを取り入れた形だそうです。
チノ生地やスポーツナイロンで作るとどちらかのイメージに寄ってしまいそうですが、NICENESSはオリジナルで企画した経糸ポリエステル/緯糸リネンを用いた2023年的化繊素材をこのブルゾンにあてました。高密度に織り上げたリネンのハリ感とポリエステル糸の光沢が合わさった独特な表情、独特な軽さ。
同じく独特な日本の気候に対応できる新しい素材だと、僕は感じました。
日本で暮らす人間が日本で暮らす人間のために行う生地開発。
湿気っぽい夏の光の中でも、乾いた冬の光の中でも、適当に鞄がわりに着ていればこの洋服の良い部分が勝手に見えてくるかもしれません。
何より、この2023年的化繊素材を使用することにより、サファリ/ハンティング/スポーツ、どの要素にも寄らない新しいイメージを受け取れると思います。
この新しさがNICENESS的には「スペース」なのでしょう。
今までではなくこれからという、未来のイメージ。

表面

フード取り外した裏面

背面にも大きなポケット

フード、袖を取り外した裏面。最初と全然違う洋服

中台、Mサイズ



貫通式のポケット、ポケット内部に裾を絞るためのドローストリング


さて、フードが取れても袖が取れてもリバーシブルであっても、結果的にフードは取らないし袖も取らないしどっちかの面でしか着ないのが可変式リバーシブルブルゾンの悲しい運命であるように感じますが、ここまでこの洋服のために生地やディテールを細かく考えて一生懸命作っていたら「なんかちょっとやってみようかな」と僕は思えました。これまでもこれからも全部個人的な感想ですが、NICENESSの洋服から常に伝わるのは小手先で時代を切り取ろうとする冷めたマーケティングではなく、デザイナーの頭の中に日々溢れるアイデアをただひたすらに形にしたいという異常なまでの熱意です。人間の宇宙に行きたいという熱意は1961年、実際に人間を宇宙に連れて行きました。スペースハンターはデザイナーの郷さんですね。
その熱意にあてられようとあてられなかろうと、当たり前のように人によって、環境によって、日々の過ごし方によって着方の変わる洋服だと思います。
あまり今までに囚われすぎず、これからを過ごしやすいようにお楽しみください。




” NICENESS “
– ENNIS – [ スペースハンターブルゾン ]
¥107,800-(tax included)
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河上 尚哉
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