FRANK LEDERは変わらない
「わ、懐かしい〜!」という気持ちでオーダーしたFRANK LEDERのALPINE DAIRYMAN SHIRT。
というのも、FRANK LEDERが初期のコレクションで作っていたプルオーバーをベースにしているのが、今回のALPINE DAIRYMAN SHIRTなのである。
当時作っていたモデルは40年代のスイス軍のマウンテンプルオーバー型の洋服にステンシルを施したものだった。FRANK LEDERが集めた古着にFRANK LEDERが後からステンシルを施しただけのものなのか、FRANK LEDERがビンテージの生地を使って作ったガーメントにステンシルを施したのかは定かではないし、別にそこはどうでもいいと思えるくらい初めてこの洋服を手にした僕の目には、カッコよく映った。
スタンドカラーのドローストリング付きのプルオーバーシャツ。
左胸に付属するポケットが意外と便利だった。
ダック地のような肉厚のコットンなので気兼ねなく洗えるし、ざっくりとした作りなので中にニットを着れば風が止まって暖かいし、上からジャケットを着ればシャツ代わりにもなる。
ショーツと合わせれば暑くなっても着ることが出来る。
と、今でも良い部分を思い出せるくらいには気に入って着ていたし、家を探せばさほど時間を必要とせずに見つけることが出来ると思う。
今シーズン、FRANK LEDERがリリースしたALPINE DAIRYMAN SHIRTは「FRANK LEDERが集めた古着に後からステンシルを施しただけのものなのか、FRANK LEDERがビンテージの生地を使って作ったガーメントにステンシルを施したのかは定かではない」という感想を抱く必要もないくらい、FRANK LEDERとしてのデザインがされている。
ブランドを始めてから今まで彼が積み上げてきたであろう思想を形にした、ブランドとしての変化を感じるデザインであるように僕は感じる。
昨日鶴田さんから紹介があったモデルの色違い、BARVARIAN MULTI STRIPED COTTON。
ザラリとしたコットン生地。
見たことも触れたことも無い生地のはずなのに何故か懐かしさを感じさせてくれたり、本当に存在するか存在しないか定かでは無い異国の街のとある光景を想像させる、FRANK LEDER特有のロマン溢れるモノづくりは変わらない。
蒸し暑いアジアの気候を考慮して作られたTRIPLE WASHED THIN COTTON。
薄くて軽くて洗いやすいコットン素材ながら、FRANK LEDER特有の雰囲気あるカラーリングが特徴的な生地をパーツごとに継ぎ接ぎして作られている。
用いる素材は軽くなったけど、洋服の形自体は変わらない。
少なくとも、昔の僕はFRANK LEDERにB-BOYパンツを合わせたりジップアップパーカーを合わせたり、サファリハットの下にスカーフを挟んでみたりショーツにライディングブーツを合わせてみたりエキゾチックレザーのサンダルを合わせてみたり悠人をストライプだらけにしてみたりはしなかったと思う。けど、今の僕はそれを普通に「良いな」と思いながら合わせることが出来る。
長く取り扱い続けるブランドには、お互いの変わった部分、お互いの変わらない部分を楽しむ良さがある。
FRANK LEDERが変わり続ける中で変わらないのと同様に、僕らも変わり続ける中で変わらない。
今と昔と感じ方は変われど。
昔感じたFRANK LEDERの魅力、そして今僕らが感じるFRANK LEDERの魅力を合わせて、今のMANHOLEの感覚で紹介したい。
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河上 尚哉
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