107-0062
central aoyama #003
4-1-3 minami aoyama minato-ku,tokyo

W : manhole-store.com
M : info@manhole-store.com
T : +81 34283 8892

blog

属さない



雨降りで肌寒かった昨日とは打って変わって、本日、ド晴天の外苑前。湿度もどこかへ吹き飛んで、いい風が流れています。

こんにちは、鶴田です。



今日、紹介するのはCLASSのジャケット。素材が一筋縄ではいかないジャケット。



葛(くず)は、マメ科クズ属つる性の多年草。その葛素材で編まれた生地のジャケットを、ヒト科ファッション属つるた性の鶴田が紹介します。



ごわごわに硬い葛素材を使って、ざっくりと編み立てられた生地。生地、と呼んではみたものの、面積的には繊維よりも隙間の方が広い。隙間のスキマを繊維が走っている感じで、奥の景色はほとんど透けて見えている。スキマを取り囲むエッジの部分は不思議なオレンジ色に染められたウルトラスエードで綺麗にトリミングしてある。

窓ガラスをはめていないアルミサッシのように、本体はないのに輪郭だけがあるような感覚。


“ CLASS ”
– CCDS04UNI A –
¥286,000- (tax included)



夏空の下で着てもさぞ涼しいんだろうけれど、「着ているのに着ていないような通気性」という角度ではなんとなく書きたくなかったので、屋外で撮影しながら自分自身の肌感覚を注意深く観察してみた。



ジャケットの上からでも十分羽織ることができるほど、ゆったりとした縦長シルエット。インナーに来たスーツ生地や肌がうっすらと透けて見えるけれど、「ジャケット型なのに中が透けて見える」という角度ではなんとなく書きたくなかったので、屋外で撮影しながら自分自身の視覚を注意深く観察してみた。



フロントボタンすらも付いていない、本当に羽織るだけのジャケット。しかし「ジャケット型なのにボタンレスだからカーディガンのように、ただ羽織ればいい」という角度ではなんとなく書きたくなかったので、屋外で撮影しながら自分自身の着用感を注意深く観察してみた。



で、気づいた。ジャケットの上から羽織っていたら肌感覚なんて当てにならないということ。

それで、僕の隣にいたタンクトップ姿の中台に羽織ってもらうことにした。



実際に肌で触れながらジャケットを羽織っている中台の感想は「透けてます」「風、全部通ります」「涼しいです」というものだった。

ふむ。



実際にタンクトップのプリントは透けて見えるし、強い日差しの下でも風通しがよさそうだ。カーディガン感覚でいかにも軽い着心地。「透ける」「涼しい」「軽い」。自分が着て感じることと中台が着て感じることにそれほど大差はなさそうだ。



室内に戻り更によく見てみると、ジャケットの下に複雑な形状の影ができていた。手編みでランダムに編まれたこの葛生地は、いかにも複雑な角度で光を通して見えた。ブログで書くために無理矢理に言語化しようとすると「透ける」「涼しい」「軽い」というありきたりなワードチョイスになってしまうけれど、実際のところ、このジャケットが作り出す表情はそれほど平坦なものではない。



冒頭で自分のことを「ヒト科ファッション属つるた性」と分類してみたものの、実際には「ヒト科カルチャー属なかだい性」に分類される中台との違いは、たかが三項目だけで区別されるはずもない。

葛(くず)は、マメ科クズ属つる性の多年草。「透ける」「涼しい」「軽い」。そんなざっくりとした分類の隙間を無限に縫うかのように、届けられる光。そして影。あまりにも多い答えが問いかけもないままにジャケットの形をして今、僕の目の前にある。

つまり、答えを出す必要のない洋服。このジャケットの属性がただひとつ「洋服」であるのだとしたら、僕らは素直に袖を通すだけでいいんじゃないだろうか。という、すがすがしさ。





MANHOLE ONLINE STORE

MANHOLE official instagram

鶴田 啓

〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室

M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892