脱ルーティーン
こんにちは。MANHOLEの河上です。
6月の後半から中台と山崎くんが2週間ほどアメリカに行く予定。その期間は久々に一人で店番です。悠人や鶴田さんが出てくれる日以外は一人、と考えると平日は大体一人ですね。
良いなあ、アメリカ。僕はどこかのタイミングでヨーロッパをぐるぐるしたいと思っています。
ワクチン未接種だった山崎くんは「アメリカはまだワクチンの接種証明必要ですよね」と言いながら4月中旬から6月中旬にかけて無茶なスケジュールで3回分のワクチンを打っている最中だったのですが「アメリカも5月12日に入国制限が撤廃される」というニュースを見て少し複雑な顔をしていました。1回目の副反応、しんどそうだったもんね。過去2回打っている中台はとても嬉しそうな顔をしていました。
なんにせよ、山崎くんの加入でお店を開けながら定期的に海外に行ける条件が揃いました。
外に出れば何かが変わる、というわけではありませんが、お店も3年が過ぎて僕らがこの場所に良くも悪くも慣れてきてしまっているので、とりあえずそのルーティーンから抜け出せれば良いです。変わりたいわけではなく、とにかく普段と違うことをする期間が欲しい。
そういう意味では今回の約2週間の店番期間、MANHOLEオープン当初の時間を思い出せそうで少し楽しみでもあります。いつも誰かといる時間ではなく、一人の時間。
誰かが来て、誰かがいて、いつでも誰かと会話が出来る、というのは当たり前のことじゃないんですよね。
さて、今日紹介するのはFRANK LEDERのシャツジャケット。
襟下がりのついたノーカラー。着丈のスッキリしたボックスシルエット。
生地、形、色。気候の変化に左右されない洋服ですね。
タンクトップの上から、シャツの上から、ニットの上から。このシャツジャケットをシャツ代わりにしてジャケット/ブルゾンの下など、一度着てみると様々な合わせ方が想像できると思います。
綿100%、ケアがしやすい点も気持ちが楽で良い。
先日紹介したプルオーバーと同じコットン素材。
赤、青、黄色、紺、灰色のマルチストライプ。
色だけ聞くとハッピーな配色になりそうなのですが、実際に見るとFRANK LEDERらしいどんよりカラー。僕がFRANK LEDERの洋服を昔と変わらない気持ちで見ることが出来るのは、彼の洋服の独特な色遣いが変わらない点にもあると思っています。
実際に、このドイツ製の洋服に使われるマルチストライプの生地に対してドイツ人デザイナー:FRANK LEDERが名付けた名前は、バイエルンのストライプ。
どんなに素材感が軽くなろうと、表に見えるのは彼の表現するドイツの色。
その洋服に漂う「ドイツ」という名のロマンチック。
初期のコレクションにはイギリス製のガーメントも存在していましたが、それ以降20年余り一貫してドイツでのものづくりを続けてきたFRANK LEDER。そう考えるとドイツ国内というフィールドに絞りながらシャツをパン生地に包み込んで焼いてみたり、洋服をカカシにくくりつけて放置してみたり、ジャケットをワインで漬け込んでみたり、硬いコットン生地に散弾銃を打ち込んでみたり、かつて毎シーズン御伽噺のようなコレクションテーマを添えていたのは彼なりの脱ルーティーンであり、彼なりにドイツを楽しむ手段だったのでしょう。
彼が形にする「FRANK LEDER」という洋服が未だに僕に何かを感じさせてくれるように、僕らが形にする「MANHOLE」というお店がお客さんに何かを感じてもらえるような場所であり続けることが出来るように。
意図せずいつの間にか出来上がってしまうルーティーンから抜け出して自分たちがまず、この場所を楽しんでいきたいですね。
「これでいいや」ではなく「これがいいや」というように、洋服だろうとなんであろうとそれを自分で選ぶことが出来るような場所を。
MANHOLE official instagram
河上 尚哉
〒107-0062
東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山003号室
M : info@manhole-store.com
T : 03 4283 8892