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エロいって、



夏の気配が近づいてきた。そんな感じがする日差しが降り注ぐ外苑前。たしかに、例年、梅雨の前に一回暑くなるんだよなぁ、なんて思いながら元気に出勤しました。

こんにちは、鶴田です。



爽快なほど、スカッと胸元が開いたこれは何?



グレイッシュベージュな前身頃とは打って変わって、鮮やかなレジメンタルストライプが映える後ろ身頃。両玉縁ポケットとシンチバックのストラップ。

普通に考えると、これはベスト。ウエストコート?



しかしながら、ラウンド気味にカッタウェイしたフロントカットは、ちょっとジャケットライクだったりして。


“m’s braque for MANHOLE”
– LONG GILLET –
¥59,400-(tax included)



とりあえずシルク100%のサラッとした表地が軽快な、ベストっぽいジャケット、ジャケットっぽいベスト。Vゾーンの開き方は、m’s braqueの真骨頂とも言える、なまめかしくラウンドしたエロチックな曲線美。深めのVゾーンがより一層広く見える。



何かのインナーに着ても、何かのアウターとして羽織っても不思議なバランスで成立するのは、インナーだかアウターだか分からない形をしているから。



ノースリーブのジャケット?



クラシックなウエストコート?



裾だけ見るとジャケットなんだよなぁ。

そもそも、ベストの中でも背面に裏地素材が当ててあるものは、基本的にベストの中でもスーツのインナーに着る用の、つまりスリーピースの組み合わせとしてのベスト。先日紹介していたSADEのベスト(完売済)が羽織りのアウター感覚で着やすく思えたのは、背面にも表地が当ててあったから。あとは四角い形をしていたから。



一方でこのベストは脇が甘い、というかアームホールのカマ位置が低いおかげで色んなものの上から実際に羽織りやすくなっている。視覚的には「ガチガチに装備するためのベスト」というよりも「タンクトップみたいな華奢な前身頃のライン」が、やっぱりちょっとエロチック。



Tシャツ、短パン、カジュアルで気が抜けて見えるアイテム群をちょっとクラシックでちょっとエロチックな見え方に変換してくれる。何よりも、鮮やかなレジメンタルストライプが目を引くバックシャン。「裏地が背中側で見える」という時点で、やっぱりエロイ。

7~8年前から続いたベスト流行り。大半はタクティカル系のものも含めてミリタリーやフィッシング、ダウン、など機能性重視から派生したスポーティーなデザインのものだった。



袖を無くしたジャケットなのか、ジャケットライクなカッティングのベストなのか。どちらが本当だか分からない秘密の部分にこそエロが潜んでいる。

素直に深Vのカットソーと合わせてみたりしてもいいと思う。それは肌の露出が増えるからエロイのではなくて、このベストが描く曲線が着る人の肉体をよりグラマラスに見せてくれるという点で、エロなのだ。根底にあるドレスクロージングのマインドが密やかであればあるほど、色っぽい。

カジュアルにエロしたい人ではなく、かっちりとエロしたい人、集まれー。

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鶴田 啓

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