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当たり前



なんだかとっても久しぶり。最近は洋服のブログばかり書いていた僕が、久々に書きます。何を?って、靴のブログを。

こんにちは、鶴田です。


F.LLI Giacometti
” FG428 ”
¥103,400-(tax included)



ポインテッドな爪先が特徴的な木型・Viora TR、スタイルは3アイレットのチャッカブーツ。このモデルは2年近く前に甲革にスムースな黒のフレンチカーフを纏ってMANHOLEに初登場した。

この2年間の間に、僕らの目は 「ポインテッドトゥ」=「ひと昔前のサラリーマンが得意げに履いていた靴の象徴」ともいえる爪先にもすっかり慣れて、もはや抵抗なんて何もない。偏見も何もない状態で、このチャッカブーツを改めて見てみると、普通に「端正な靴」だと思える。

そもそも「ひと昔前のサラリーマンが得意げに履いていたポインテッドトゥ」とこの靴・FG428 は似ても似つかないフォルムなんだけど。



毛足の流れがないダークブラウンのスーパーバック。チャッカブーツとしてはいかにも英国の本流らしい素材使いが、この靴を一層端正な顔つきに見せている。



チャッカブーツは、そもそも(他のブーツ類と同様に)乗馬やポロ競技にルーツを持つ靴のひとつなんだけど、ストラップ式のジョッパーブーツやサイドゴア式のチェルシーブーツに比べると、どことなく牧歌的というか素朴な印象の靴だと思う。



なぜそのようなイメージが定着しているのか、ちょっとだけ考えてみた。

「チャッカブーツ」と聞いて僕らが思い出すのは…

①英・C社の大定番カジュアル靴、ステッチダウン式のデザートブーツ
②1980年代に仏デザイナー・MLが米・A社に別注したプランテーションソール搭載のチャッカブーツ
③英・C社の代表モデルのひとつ、タバコスエードのアッパーが印象的なクレープソールのチャッカブーツ

といったところ。世間一般では「チャッカブーツの定番」とされるこれらのモデルは木型そのものがぼってりとしたラウンドトゥであることは勿論だが、もうひとつの共通項は「どのモデルもゴム底(クレープソール仕様)」だという点。ステッチダウンやストームウェルトで縫い付けられたクレープソールは、厚ぼったくてどっしり。



一方でF.LLI GiacomettiのFG428はご覧のとおり。流麗にくびれたウエストシェイプも、美しいヒドゥンチャネルも、バーガンディに塗られたグラマラスな半カラス仕上げも、クレープソール仕様のチャッカブーツに比べて驚くほどハンサムだ。

勿論、世の中にはカジュアル仕様のチャッカブーツ以外にドレスチャッカなるものも存在はするけれど、それらに比べてもFG428は抜群にエレガントな顔つきをしている。「あえて不細工」という逃げ口上を微塵も感じさせない、凛々しさ。



ボロいデニムパンツに合わせても、抜群にエレガント。



ツイードのキュロットスカートに合わせてもエレガント。



玉虫色のポリエステルパンツに合わせてもエレガント。



レースシャツに合わせてもエレガント。



アメリカンでキッチュな配色の古着アーガイルニットに合わせてもエレガント。



つまり、何に合わせてもエレガント。この堂々たる佇まい。F.LLI Giacomettiのことをエキゾチックレザー使い多めのマニアック靴と思い込んでいる人が、或いはいるかもしれないけど。

少し前に河上が紹介していたように、現在MANHOLEの店頭に並んでいる端正なANILOUカーフを乗せたLUIGINO:コインローファー が新鮮に思えたり、そういうタイミングっって確実にあるわけで。当たり前に端正な靴って、探すと意外に見つからない。

「ダークブラウンスエードのチャッカブーツ」という、ごく当たり前な響きの中にこそF.LLI Giacomettiの実力が遺憾なく発揮されているんじゃないだろうか。 是非、当たり前のような顔をして当たり前に履いてほしい。当たり前のように当たり前を超えてくる靴だと思う。





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