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シャツジャケット



ぼんやりとした光、雨の外苑前。



MANHOLEの片隅にペロンと引っかけられた、ごく軽い仕立ての洋服。そうそう、今朝から急に肌寒くなったので何か一枚羽織りたいと思っていたんだよなぁ、という天気の話題で導入するくだりから何となくお分かりのとおり、こんにちは鶴田です。 

現在、鶴田は水曜日だけの週一シフトでMANHOLE出勤。ということで、水曜日と言えばカンパネラとダウンタウンと鶴田。あ、大泉洋も一応入れときますか…。それにしても、雨の水曜日ってなんだか語呂がいいですね。って、当たり前だけど。

店内では中台セレクトで「TSUKI NO WA」というバンドのアシッドなアンビエント音楽が揺蕩うように流れています。店内の掃除をしながら「なんか、コントラバスって憧れるよねぇ」と中台に話しかけました。鶴田です。



小さめの襟と比翼仕立てのフロントスタイル。



ループ留めの第一ボタン、つまりオープンカラー。



カフスが付いてるけど袖裏も付いている、つまりシャツジャケット。

“m’s braque”
– shirt jacket –
color : BROWN CHECK / GREEN GEOMETRIC
¥63,800-(tax included)



ウール×リネンのブラウン系チェック、アクリルやレーヨンなど色々混ざった四者混のグリーン×ネイビー系ジオメトリック。それぞれ「ざらざら」と「やわらか」というタッチの違いはあれど、どちらも中肉ウールベースの生地なのでネルシャツを羽織るくらいの気軽さで袖を通すことができる。つまり、シャツジャケット。

それにしてもシャツジャケット。シャツなの?ジャケットなの?ジャケットシャツだと、また意味が違うのか?



なんだか、色んなワードが飛び交ってしまったので、一度整理すると。

雨のウェンズデイ、外苑前をブラついていると向こう側から詩羽と大泉洋と松本隆と大滝詠一が四者混のジオメトリック陣形で歩いてきて、すれ違いざまの僕にコントラバスを渡してきた。

いや、違うな。

えっと。アクリルとレーヨンとポリエステルとウールのカルテットが爆音でアシッドフォークを鳴らしているところへビル・エヴァンスが乱入し、ネルシャツを羽織るような気軽さでモードジャズ奏法を披露した。



あるいは。

浜ちゃんが「洋服の歴史や作りに詳しい松本さんに質問です。シャツジャケットとジャケットシャツの違いについて教えてください」とハガキを読み、松ちゃんは「逆に、お前にとってダウンタウンとタウンダウンはどれほど違うねん」と質問で返し、浜ちゃんが「いや、全然違うやん。逆に、ってなんやねん」とツッコんだ。

ぼんやりとした光、雨の外苑前。

m’s braqueの名前にある「braque」という単語の意味を調べてみたけれど、はっきりとした答えは見つからなかった。ひとつだけ出てきたのは「Braque(ブラック)」という画家の名前。m’s braqueの名前がキュビズムを代表するこのフランス人画家の名前に由来しているかなんて僕は知らない。知らないし、仮にそれを知っていたとしても「このアイテムがシャツなのかジャケットなのか」という問題の答えにはならない。ならないし、このアイテムがシャツジャケットなのかジャケットシャツなのかが分かったところで、その答えがこのアイテムを楽しむためのきっかけになるとも思えない。



そんなことはどうでもいい。

このアイテムは「小さめの襟と比翼仕立てのフロントスタイルで、ウール×リネンのブラウン系チェックとアクリルやレーヨンなど色々混ざった四者混のグリーン×ネイビー系ジオメトリックの2色展開で、ネルシャツを羽織るくらいの気軽さで袖を通すことができる」と修飾することも出来れば、「楽なのに洒落て見える」とばっさりと言い切ることも出来る。

ファッションという連続するイメージの中で僕らが考えていることと現実的に起こりそうなことの間には大きな隔たりがあり、隔たりがあるからこそそこに大きな橋を架けようと願う人もいたりする。一つの視点からのみ描かれていた従来の絵画に対し、あらゆる角度から見た物の形を一つの画面に収めようとしたBraqueという名前の画家から僕らが学ぶことがあるとしたら、それは。

例えば「タウンダウン」という名前からさえもコンビの本質を見つけてみせること。シャツジャケットだかジャケットシャツだか分からないものの中からコントラバスの音色を聞き当てることができるのだとしたら、あとはもうどんなアイテムだってネルシャツを羽織るくらいの気軽さで楽しむことができる気がする。




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