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びよんどでぃすくりぷしょん



やっとジャケットを羽織れるくらい涼しくなったので、久しぶりにタイドアップしてMANHOLEに出勤しました。

こんにちは、鶴田です。

職業柄、これまでに色んな形のジャケットを見てきました。素直にカッコいいものから、作りが凝ったもの、高級なもの、「おや、これはナンダ?」と心に引っかかるもの。とにかく、まぁまぁ数多くの種類を見てきたので、ちょっとやそっとじゃ驚かない、新型ジャケットに対する免疫はそれなりに高まっていたはずです。

しかし、それでもあるもんです。「おや、これはナンダ?」と心に引っかかるジャケットが。

” CLASS ”
– CCDA06UNI A –
COLOR : GREY
¥181,500-(tax included)



深い前合わせがシングルブレステッドとダブルブレステッドの中間的なジャケット、「- CCDA06UNI A -」。秋の「おや、これはナンだ?」初めは、やっぱりCLASSから。とはいえ、どこが変なのか。ぱっと見ではあまり分からない。トルソーに着せるとジャケットは無駄に綺麗に見えてしまうから、人に着せてみた。



前肩や肩甲骨部分に、無駄なシワ。なんとなく生地がモタついているのが分かる。これは着用してくれた山崎くんの体型のせいではない。



あとは、二の腕や肩、肘部分にアシンメトリーなパッチ。ハンティングウェアがモチーフのような気がするけれど、それにしてもなんだかパッチが膨らんでもこもこしている。肩パッチや腕パッチや肘パッチの中にはごく少量の中綿(ダウン75%、フェザー10%含む)が仕込んである。これって防寒性のためのパディング?いや、寒さを凌ぐためならもっと他の場所にいれるでしょ、中綿。



とりあえず、仕立ては軽い。サッと羽織って街に飛び出していける。



色んな所が多少いびつにモタついてはいるものの、全体的にはカバーオールを羽織っているかのようなリラックスフィット。



でも、後ろから見るとちょっと違和感…。パッチが取り付けられた肩や袖にはボリュームがあるけれど、後ろ身頃は意外と細い?強めのシェイプが効いている。



ぜんのこうし君、フロントボタンを留めてみてよ。



ほ、細い?



フロントボタンを開けたままだとカバーオールフィット。



フロントボタンを留めると。



ほ、細い?



「細い」や「太い」って、洋服のシルエットを説明する上では極めて貧相なボキャブラリーだということを知ってはいるんだけど、これ、この状態、なんて言えばいいんだろう?「ボディは細いのに、袖は太い」以外に、なんて言えばいいんだろう?

強いて言うならば、上の写真。ワーク/ミリタリーの肩・袖に、攻めたシェイプのテーラードボディが無理矢理くっ付いているような違和感?ボタンを留めている最中にだけ、さっきまで肩や胸の周りでモタついていた無駄なシワや生地の余りが消えてなくなる。少し前に河上が紹介していた「座ると形が綺麗になるパンツ」に準えるならば「ボタンを留めるときだけシワが消えるジャケット」ってことになる。

ほら、初めに書いたとおり。「おや、これはナンダ?」って感じ。このシルエットは言葉を超えて、もはや目的すらも消失してしまっている。でも、あれ?そもそもファッションって、そんなもんじゃなかったっけ?そうだよね?という、びよんどでぃすくりぷしょん。




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