虚構のスカーフ
朝イチから、MANHOLE店内で接客のシュミレーションに励む男。ぜんのこうし君。
若い子の地道な努力はいつ見ても爽やかなものです。と、自分がファッション業界に販売員として入門した遠い記憶を遠い目で振り返る、こんにちは鶴田です。
「お客様、デニムのウエストサイズはいかがですか?」
「本日お召しになっているトレンチコートやスウェットパーカにもピッタリ、レギュラー感溢れるフェイドした色落ちがいい感じですよね、このデニム」
「ポケットにもちゃんと手が入るし、サイズ感はこちらで申し分ないかと思います」
「店内が少し暑いので、よろしければコートはこちらでお預かりしておきましょうか?」
「素敵なコートですね。生地もディテールもカッコいいですね」
「このスウェットパーカ、内側にモヘアニットのライニングがついているんですね?店内、暑くないですか?よかったら、こちらもお預かりしておきますよ」
「ポケットの中にご貴重品、入っていませんか?」
「はい、ありがとうございま~す」
「それでは、パーカとデニムは私が首に巻いてお預かりしておきますね」
「そのまま、座ってひとやすみしちゃったりして。失礼しま~す」
「お客様のコートも、勝手に着ちゃったりして」
「ボタン、留めちゃったりして」
「そのままウロウロしちゃったりして」
「お客様になり切って、店内をあれこれ物色しちゃったりして」
という、二人羽織りみたいな寸劇のシュミレーションもできるBLESSのストール。ストール、というか「元・スウェットパーカ」であり「元・Levi’s」であり「元・モヘアニット」であり、ぜんのこうし君にとっては「元・虚構のお客様」。寸劇の虚人。
さっきまで中にいた人が突然消失してしまったかのようなシュールレアリスムに、ミョーなドイツっぽさとBLESSのユーモアを感じる。
「お客様?お客様?お客さーまー?」(まったくもう、ジーンズとパーカを預けっぱなしどこに行っちゃったんだろう…)
ぜんのこうし君、まだ探してる。
この冬のお忘れ物にお心当たりのある方、もしくはこのスカーフの中身になってくれる方。どうぞMANHOLEまでお越しくださいませ。
こうし君が探しています。
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鶴田 啓
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