特別じゃないシャツ

さて、MANHOLEのドレスシャツ。
「特別な生地」を選ぶのに疲れた、というか特別な生地に特別さを感じなくなったので普通の生地で作っています。ここでいう「普通」というのは、気に入ったらまた手に入るような普通さ。ナポリのシャツ屋さんが定番として持っている普通の生地。今回はこれが良いと思って選んだけど、仮にこの生地が無くなったとしてもまた違うものを選べるような普通さ。
もう作れない、言うのも言われるのも疲れちゃいました。都合に振り回される数は少なければ少ないほど良いし、シャツのような肌に近い洋服は「気に入ったらまた手に入る」くらいの方が気軽に着られてよいのではないでしょうか。
というのは、MANHOLE初期に企画したオフホワイトのシャツを色移りしようが袖や襟が擦り切れようが気に入って着続けてくれたMANHOLEのお客さんを見て感じました。新しいのを渡したいけれど、もう作れないし値段もあがっちゃってるしなあ。なんて考えるのも疲れた。都合よく、今のセレクトショップには「どうやら特別らしいもの」だらけだし、僕らが今選ぶものはそんなに特別なものじゃなくてもいいのかもしれない、なんて。
ちなみにこの「普通の生地で作る」というのは日本製だった頃から変わらないMANHOLEのドレスシャツのコンセプト。変わったのは硬いか柔らかいかくらい。

Col.OFF WHITE Size:36/37/38/39/40/41/42
¥36,300-(tax included)
と、いうわけでオフホワイト。
かつてオフホワイトのシャツだったはずなのに色移りしてグレーとかピンクとかになってしまったMANHOLEのお客さま、以前手に入れたオフホワイトのシャツを気に入って着すぎて袖口や襟元が擦り切れているMANHOLEのお客さま。
そういう「かつて〜だったもの」をコーディネートでバランスを取るのは楽しいけれど、そろそろ替え時です。このシャツをどうぞ。
・・・どちらでも無い方が大半ですよね。
晒しの白ではなくオフホワイトです。
真っ白のブロードやポプリンのドレスシャツに袖を通すと確かに気持ちは良いけれど、ジャケットを羽織って鏡を見た時に「こんなに白くなくてもいいかもな」と思ったことはありませんか。
これはそんな「そんなに白くないシャツ」です。
普段MANHOLEに並ぶようなテーラードと合わせてみてください。


Col.Sax blue Size:36/37/38/39/40/41/42
¥36,300-(tax included)
同じくレギュラーカラー。サックスブルー。
そういえば、次の春夏シーズンに自分たちで企画している洋服はこういう色が多いかもしれません。
お店に立っている人間が爽やかさに欠ける分、ちょうどいいかも。


Col.Navy check Size:36/37/38/39/40/41/42
¥36,300-(tax included)
そして普通のチェック。
この生地は中台が選んでくれました。
普通のチェックだけど、普通すぎて自発的に手に取ったことがないかもしれない。
「アメリカ物と合わせると、ほら。いいじゃ〜ん」と中台が言っていました。
うん、楽しそう。



Col.Sax blue Size:S/M/L
¥44,000-(tax included)
「スナップシャツは楽でいいけれど、ウェスタンシャツは古着でいいからなあ。」と、考えていた時。
70年代に活躍したフランスのデザイナーズブランドが作っていたスナップ式のタブカラーシャツを山崎くんが見つけてきました。ナイスタイミング、ナイスアイデア。なんてMANHOLEらしいシャツなんだろう。
というわけでスナップ式のタブカラー。
デザイナーズらしい無機質な雰囲気は残したかったので、このタブカラーのシャツだけフルマシン、襟芯も接着芯。かといってあまりにもツルッとしすぎてもなあ、と感じたのでヨークのギャザーは入れてみたり。作っていて楽しいシャツでした。
ネクタイをわざとらしく立体的に見せてエレガントを気取ることも出来ますが、脱ぐ時や着る時はパチパチ音がするようなエレガントさのない洋服です。是非ネクタイをしないでどうぞ。
装飾的な機能を機能で殺す楽しいシャツ。
仕様確認として送られてきたサンプルズバリのサックスブルー。


Col.White Size:S/M/L
¥41,800-(tax included)
そして、プリーテッドブザムのウィングカラーシャツ。
縦プリーツではなく横プリーツ。
最早形骸化された存在ですね。格式は箱の中の綺麗な綺麗な飾り物です。
格式や様式美、かっこいいですよね。憧れます。
でも、今それを気にして出かける場所も機会もないんだよなあ。
無理矢理そんな場所や機会を作るより、なんでもないように着てあげるのがこれからのこういう洋服の新しい形なのではないでしょうか。
というわけで、僕らのような社交界やパーティーシーンといった特別な場面になんの縁もない人間が、普通に街中で見かける「かっこいいもの」として活躍させてあげたいと思います。
昔からあるけどそういえば着たことのない洋服を、いつも通り「ただの楽しい遊び道具」として。
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河上 尚哉
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